2008.07.11

釣り好き三平

実写で映画化されるという「釣りキチ三平」。

差別語狩りに熱心な方々からかつてやり玉に挙げられていた「~キチ」だが、三平くんの釣りキチっぷりはお目こぼしをいただいたらしい。

ならば拳キチのおっつぁんも、音声を消さずに呼んであげてほしい。

わんぱく少年たちが大好きな秘密キチや、騒音と民間共有化でおなじみの横田キチ、自動織機の豊田佐キチも素直な心で堂々と大きな声を出して呼べる日が来ますように。

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2008.03.08

まだお若かったりなんかしちゃったりして

広川太一郎氏が癌でお亡くなりになった。
北海道新聞の記事

2008年3月3日月曜日逝去。享年68歳。

若いなあ……。

軽妙洒脱の四文字が似合う人だった。

こういうのも新作で聞けないと思うと、寂しいものだ。


第2条(甲の責任、なんてさ) 甲ってば、本著作物が完全な原稿(図形、美術、写真などを含む、なんてさ)であることを保証する、なんて、コノコノコノォ!
2 甲ってば、本著作物が他人の著作権をば侵害しないことを保証する、なんてさ!
3 甲ってば、本著作物に登場する人物または団体等が実名あるいはモデルとして実在するときは、本著作物中における改変・変形の度合にかかわりなく、その旨をば乙に事前に書面で通知する、とか何とか言っちゃってみたりしてぇ!

■広川太一郎変換フィルタ
http://www.keddy.gr.jp/~eigamichi/dic/hiro.cgi


合掌

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2006.05.10

齢300歳

今の部屋に越してきて2年と10ヵ月弱。これまで一度も湯船に湯を張って入ったことがなかった。

ユニットバスで狭いため、なんとなく敬遠していた。必要があれば近所に林立する銭湯へ行く。黒湯と呼ばれる温泉水が湧いているそうで、あちこちに銭湯があるのだ。

“なかった”と過去形で書いたことでお気付きだろう。

大型連休に意を決して湯を張ってみた。

いいね。

狭いし換気悪いからのぼせるけど、やっぱり湯に浸かるのはいい。

その際、豊富な在庫から入浴剤を投入した。

実は片付けをしていて大量の各種入浴グッズを発掘したため、湯船に浸かってみようという気が起きたのだった。

発掘したのは竹酢液やら檜を削ったボールやら炭片やら湯ノ花やらだが、これらに先だって、Macのモニタの上に長い間置きっぱなしになっていたいただきものを使うことにした。

060510a

地獄の湯。

入浴剤が溶けたあと、フィギュアが出てくるという商品だ。

060510b

本品を袋から取り出してお湯が
はられた浴槽へ入れます。


説明書きのとおり、中身を浴槽にえいやと放り込んだ。直接触った手を洗うのが面倒なので、袋の口を切って、中身には触らないよう気を付けて投げ入れた。

あれ? なんか白い紙が一緒に出てきたぞ。なんだ。

060510c

ご使用になる際は
フィルムから取り出して
お使い下さい。


先に言え


もう投げ込んでしもたやん。

シュリンク包装のところどころに空いてる小さい穴から湯ぅ入ってぶよぶよになり始めてるやん。

しかもシュリンクのビニールがきついうえに柔軟性が高いから爪でちぎれるとこないやん。

染み出てきた青い汁で手ぇ滑ってますますシュリンク包装取れへんやん。


……結局、入浴剤の固まりを一度風呂から台所のシンク周りまで持っていき、キッチン鋏で切れ目を入れて、ようやく投入を完了した。

手を洗うのを省こうとしたばかりに、手どころかキッチン鋏を洗って拭いたり、湯がぽたぽた垂れた床を拭いて回ったり、余計な手間が増えてしまった。

いいか、バソダイ、大事な説明は表に書くもんだ。肝に銘じろ!


そんなこんなで、不健康そうな真っ青に染まった湯の表面にぽっかりと浮かび上がったのは、300年の齢を重ねてきたが風呂には滅多に入らないと豪語するねずみ男。

060510d


半裸で腕組みをし、風呂入る気満々の様子だが。


さて、ねずみ男=大泉さんである。

2007年春に公開を予定されている映画『ゲゲゲの鬼太郎』で、ねずみ男を演じるそうだ。

実写のねずみ男といえば、20年近く前に月曜ドラマランドかなにかで竹中直人が演じていた印象が強い。あれはまんがやアニメのねずみ男より、竹中氏本人のキャラクター(へちょい人のほう)そのままだった。

ボヤキ節が秀逸な大泉さんならではのねずみ男に期待。大泉さんのキャラクターが充分に発揮されれば、それだけで観る価値のある映画になるだろう。

ちなみにウエンツが演じるという鬼太郎にはあまりイメージが湧かないが、宣伝写真で見る限り銀髪で、なんとなくパンク系な感じ。敢えて子役を配さなかったのは2005年夏に公開された『妖怪大戦争』と被るからか。

各紙の制作発表記事は以下のとおり。

・サンケイスポーツ(画像あり)
 http://www.sanspo.com/geino/top/gt200605/gt2006051001.html
・スポーツニッポン
 http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2006/05/10/01.html
・中日スポーツ
 http://chuspo.chunichi.co.jp/00/hou/20060510/spon____hou_____001.shtml
・日刊スポーツ
 http://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/p-et-tp1-20060510-29847.html


ぬりかべを美浜ちよがやるのか誰がやるのか、興味津々だ。

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2006.04.10

ナイロビと犬、最後の蜂

覆面試写会、横文字でかっちょよく言えばスニーク・プレヴューとやらに、行って参った。

覆面なので、現場に行くまでどんな映画がかかるのかは謎だ。招待状もそっけなく、なにがなんだかわからない。「5月公開予定の感動大作」であることだけが唯一の情報だ。

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西新宿の明治生命ホール前に集う人々。入口からできた列が外まで続いていた。

ところで、わたいはこの列に並ぶ直前、巡査のコスプレをした警官二人に職務質問を受けた。

なんでも、このあたりはアーミーナイフとか十徳ナイフとかを「便利だから」といって持ち歩く輩が多いので、抜き打ちで荷物を点検するパトロールを実施しているんだそうだ。

持ってそうに見えるってことですよね
いえいえいえ。そんなことはありませんよ(満面の笑み)

ウソだ。

どんなところが持ってそうに見えるんですか
いえいえいえいえ。スーツ姿のサラリーマンの方にもお尋ねしてますから(満面の笑み)

スーツ姿でも持ってそうなのを見繕って職質するはずだ。

試写会の招待状しか入っていないディパックを見せて、あれこれこちらから尋ねていたら、ディパックの中を見ただけで満足して「もう結構です」とおっしゃる。

本当に点検するつもりなら、ディパックのストラップに付けた小さいパックの中も見ろ。服のポケットも探れ。腰のあたりに隠し持っているかもしれないぞ。足首にホルダーを装着していたらどうするのだ。なにしてるコスプレ巡査。まだまだ甘いぞ。

結局コスプレイヤー(←決めつけ)は職質の対象を選ぶ基準を教えてはくれなかった。いろいろと彼らの話を聞きたい人は、ぜひひとつカバンに忍ばせて西新宿へ行こう。ただしそのアーミーナイフの刃渡りが銃刀法で携帯を禁じられている長さより短い(折り畳みは8センチ以下)ものであっても、「正当な理由」なく持ち歩いているとコスプレイヤーの気分次第で拘留の対象になるから、腹を括って臨むべし。

さて、そんなことはともかく、18時過ぎ、明治生命ホールの舞台に立ったスタッフがはじまりの挨拶を行なった。

本日はようこそスネーク・プレヴューへ

そんなとこでいきなり噛むな。

それを観客もさらっと流すな。

主催者が集めた淡泊な観客たちは、blogなどを持っている人々らしい。ココログでも募集していたが、わたいは関東Walker経由で応募した。

試写を観た連中に自分のblogで映画のことをわんさか書かせれば、ばっちり口コミで安上がりなうえ宣伝効果はウナギ登りでウハウハ(死語)というのが、配給会社の算段だ。

なので、書いて書いてとお願いがあった。

そんなこと言われなくても、ネタになれば書くぞ。

いや待て、延々と書き綴ってきたがまだ肝心の映画のタイトルを一度も書いていなかった。

正体を明かされた映画は、わりと社会派な骨組みのなかで夫婦の愛を語って見せた『ナイロビの蜂』。

原作は角川文庫から上下巻で発売されている。
・上巻をamazonで買う
・下巻をamazonで買う

英国外務省に勤める主人公ジャスティンが、わりと革命的活動を主眼とした生き方の女性テッサと結婚してケニアへ赴任。そこでテッサはアフリカ人医師アーノルドと組んでちょっとやばい橋を渡り、その結果……ってどこまで書いていいんだ。あっという間にネタバレするぞ。詳細なストーリーを知りたい方は公式サイト(後述)で読んでいただきたい。

要するに、殺された妻テッサの足取りを追い、その死の真相に迫る過程で、「いやほんとオレ、好かれて大事にされてたんだなー。いやー、生前もっとよくしときゃよかったよ。ていうか、やっとわかった今わかった」と感じる主人公ジャスティン、という話である。植民地時代はもう流行らなくなったけれど、大国の搾取癖は健在っスね、という話でもある。こう書いてしまうと身も蓋もないが、ドラマは壮大なケニアの自然と猥雑なスラム、整然としたヨーロッパの町並みを背景にして巧みに紡がれる。ジャスティンがスーパーマンでもなんでもない、その辺にいそうなただの人なだけに、リアルだ。

物語は、時間の流れのままではなく、過去と現在を行ったり来たりしながら描かれる。通常は先に振ったネタがあとで活かされるから伏線なのだが、「さっきのアレの伏線が今張られたか」ということも起きる。時系列で各シーンが並んでいないことによる軽い驚きは新鮮。

チラシの謳い文句やウェブサイトに寄せられた著名人の感想は「泣けた泣けた」のオンパレードだが、まったく泣けなかった。実際のところ泣けそうなシーンもなかった。「ケロロ軍曹」のエピソードでさえ、たまに涙ぐみそうになったりするのに、なんで感動大作で泣けないのか。血も涙もないのか、わたい。

泣けない理由は主人公に感情移入できなかったからだと思う。感情移入できなかったのは、最後の最後で主人公が生きることを諦めてしまったからだと思う(あ、ネタバレだ)。この映画としてはそこが肝心なところで、さまざまな思いや感情が集約されてくるのだが、どんな理由であれ、生きようとしない主人公の気持ちには同化できないのだ。

■『ナイロビの蜂』公式サイト
※デフォルトで音楽が鳴りまくるので注意。気になる向きは「♪」ボタンを押して止めよう。

試写会の手法に付き合って「スニーク・レビュー」を試みた。選択して反転させれば読んでいただけるが、たいしたことは書いてない。

まあ、そんなヘビーな映画だったが、ここだけのハナシ、試写会を通してとりわけ印象に残ったのは、本編が始まる前の予告編だった。


アパッシュ!


Apash


めっちゃ 男前!


目張りがすごいよ、アパッシュ。書きすぎ。え? それ自前?

最後まで目力の強いアパッシュの顔が脳裏から消えなかった覆面試写会であった。

■『狩人と犬、最後の旅』公式サイト

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2005.07.10

スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐

川崎チネチッタスクリーン12、20時10分からの回を観た。

このシネコンではエピソード3の字幕版を3つのスクリーンで、吹替版を1つのスクリーンで、計4ヵ所で上映しており、これが遅い回だということを差し引いても、ロードショー2日目で6割程度の入りというのは多いのか少ないのか。

さて、これからこの映画を観る人に申し送ることがふたつある。

まずひとつ。

上映前にパンフレットを買う癖がある人に告ぐ。待ち時間にパンフを読むな。

エンディングまでのストーリーが微に入り細に入り全部しっかりびっしり書いてある。完全ネタバレだ。

もうひとつ。

隣に座る男に気を付けろ。

上映ぎりぎりに現われ、他人の肘掛けに付いているドリンクホルダーにペプシツイストの500mlボトルを置き、本編前のコマーシャルや予告は大人しく観ているが、本編が始まった途端にコンビニ袋をがさがさ開けて立て続けにおにぎりを食うぞ。おかかの匂いをぷんぷんさせながら、だ。

本編を観ている間は常にうふうふと含み笑いを漏らし、ダース・ベイダーの登場シーンで流れるテーマに合わせ、ノリノリで鼻歌を合唱だ。

♪ふーん ふーん ふーん ふふ ふーん ふふ ふーん


……ジェダイになるためにはこんなときでも“忍耐”が必要だ。

では、諸君の健闘を祈る。

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2005.06.24

アタックNo.1 最終回収録

前作「エースをねらえ!」よりも破天荒なツッコミどころが少ないので、観てはいたもののエピガイは書かなかった「アタックNo.1」。
2005年6月23日に最終回が放映されたので、最終回の最後のシーン、“鮎原復活”の収録風景メモを公開しておこう。

集団エキストラ応募者に返信されたメールはこれ。


題名:「アタックNo.1」収録参加について
日時:6月17日(金) 8時30分集合→順次入場  ~  19時終了予定

2・3時間の遅刻、ご都合による途中退出を認めますので、ご参加出来ない方の代理の方、未登録のご友人も沢山お誘い合わせの上、是非お越し下さい。

集合場所 :川崎市とどろきアリーナ 正面玄関入り口付近 受け付け
      神奈川県川崎市中原区等々力1-3(JR南武線武蔵中原駅より徒歩15分)
予定変更などの理由により万が一お越しになれなくなった場合は、6月15日(水)24時まで(厳守)に送信元まで、必ずお名前をご記入の上、必ずメールにてご連絡下さい。
くれぐれも直接、テレビ朝日への電話でのお問い合わせは、ご遠慮下さい。

注意事項とお願い
☆館内での撮影ですが寒さ対策を十分にした上でご参加下さい。また、撮影は、夏の設定なので、夏服を持参または、着用して来て頂ければ幸いです。
☆お弁当は出ません! また、館内には売店がない為、お菓子・お弁当・飲み物持参でお願い致します。
☆安全に撮影を行う為、警備員立会いの下事前に荷物チェックを厳重にさせて頂きます。
☆当日は身分証の提示をお願いします。(身分証のない方の入場は固くお断りします)
☆当日は現地集合・現地解散になります。また、エキストラ費・交通費の支給は御座いませんので予めご了承下さい。
☆双眼鏡・カメラ・VTR・携帯電話等による一切の撮影、または出演者にサインを貰おうとするなど撮影に支障をきたす行為は絶対禁止です。入場の際、預かります。
☆お子様連れの方(小学1年生未満)はご遠慮下さい。
☆当日、座席上のメガホンは、今後も使用しますので絶対に持ち帰らないで下さい。
☆駐車場・駐輪場のご利用はご本人様の責任において各自で行って下さい。
☆記念品は、朝イチから最後まで参加し協力して下さった方のみにお渡しします。予め、ご了承下さい。


メールの文面から見て、おそらく冬に夏の撮影をしたときの使い回しのようだ。

6:50に起床。7:33、最寄り駅発。8:00、川崎市とどろきアリーナ着。

既に60人ほどが並んでいた。

8:30
受付開始。この段階で200人を超える人が詰めかけていた。

身分証明書を提示して、受け付け。
注意書きの書かれた紙を1枚もらい、カバンの中身とボディチェックを受けて入場。
ディパックに装着していたHP200LXは不信がられて改められたが、Dimage Xtはスルーだった。

会場に入ると、撮影は既に始まっていた。

大雑把に、あの辺からあの辺に座ってくれという指示に従って、空いていた最前列に座る。その「緑1-21」は「秘密兵器 三条美智留」の垂れ幕の上だった。

撮影されている場面は、エンドラインに並んだ全日本高校選抜のメンバー6人が、「お願いします!」と挨拶をして一斉にコートに入るところ。

このとき、富士見学院の応援席をちらっと見て、納得したようにうなずいてからコートに入る早川みどりの演技がメイン。
テストではコートに入ったメンバーが円陣を組むその前に応援席を見る演技だったが、本番では礼をしてコートに入るタイミングで見ることに変わったのだった。
オンエアを見ると、応援席から母親が声をかけたのに気付いて、うなずいていたのだった。

さて、円陣を組んだ全日本高校選抜に、キャプテン八木沢香のゲキが飛んだ。

八木沢「ええか。ここで負けたらひげおやじに顔向けでけへんで」
全員「はいっ
八木沢「全力でいくで!」
全員「おーっ!

この場面を、横から、下からとカットを変えて押さえる。

9:39
早川みどりがボールを持って鮎原こずえに駆け寄る場面に移行。

早川「こずえ
鮎原「みどり……やっと一緒にプレーできるね
早川「うん
鮎原「絶対勝つよ

早川からボールを受け取る鮎原。

本番では子供の声が入ってやり直し。

小学校1年生未満のお子様連れはご遠慮ください”と案内されていたが、遠慮せず連れてきた親子が、見た限りで4組いた。スタッフのご家族も来ていたという話なので、追い出されなかったのはそのあたりが理由なのだろうか。

9:51
鮎原のサーブを正面から撮影。

9:56
同じく鮎原のサーブを上から撮影。

ところで役者のみなさん、膝のサポーターを足首まで下げたままで本番に入ったりしているが、大丈夫なのか。せっかく撮影しても使えないのでは。
心配していたら、このあとは本番前にサポーターを膝まで上げるようスタッフから注意が出るようになった。

10:00
鮎原のサーブを正面やや下から撮影。

コート真後ろの応援団が映るため、立ち上がって「そーれ!」の掛け声をかけるように、というADの指示で、いよいよ集団エキストラの仕事が始まる。
そこ以外の席は立ち上がらずに声だけ参加。

10:03
コート真後ろの応援団最前列から、「SA」「TO」「MI」「6」のカードが取り上げられて
一番上に持って行かれた。テスト映像を見たカメラマンか監督が嫌ったらしい。

10:05
鮎原、コート右下隅でボールを打ち返し、ボールが相手コートで弾むのを見て「よし!」とガッツポーズする場面。2回撮る。

試合の相手はブラジルチーム。
サーブを打つためラインにつく鮎原のシーン。
コート真後ろはまた映るので、立ち上がって“声も音も出さずに”「ニッポン チャチャチャ」をやる練習。

10:18
鮎原サーブの本番。
この直前、右隣にいた怠惰な雰囲気の女子ふたりが持っていた応援幕「早川オレオレ 三田村」が回収される。それは三田村専用のものだったからだ。

10:20
カット16、全日本高校選抜選手が会場に入ってきてコート脇の席に着くまでの場面。
応援団が選手入場に合わせてヒートアップする様子を練習する。
その間、全日本高校選抜側コートの左にカメラを移動させるレールが敷かれる。
ブラジルチームは、自陣コートでボールを使って遊んでいる。監督とコーチと思しきふたりが、最初はバレーのパスで遊んでいたが、やがてへディングだけのパス遊びに変わった。ボールが友達の国の人ならではだ。

さて、本番。コーチ、選手入場。
ちょうどわたいがいる右下のあたりから、次々にコートに入って来る。
先に歩いてきた本郷俊介監督代行といつもTシャツにハチマキの松本コーチは、コートに入ったあたりで右から選手に抜かされる。選手はコートの長辺の白いラインを目印に一列で入るよう、事前に説明を受けていた。

カメラが入場選手を捉えている間、エキストラの応援団は、大騒ぎで声援を送る。

席に着いてから気付いたが、応援団席はざっくりと選手ごとに分けられていた。

コート真後ろは垣之内良子(福岡文化学院:イメージカラーは黄色)。そこからコートの真横の鮎原こずえ(富士見学院:赤)まで順番に、八木沢香(大阪寺堂院:黒)、吉村さとみ(明法女子学園:オレンジ)、早川みどり(神奈川実践:緑※)、三条美智留(神奈川実践:紫)の応援団席が並んでいる。
※富士見学院→神奈川実践の転校組で、ひとりだけ学校のカラーではない。

それぞれに応援グッズが用意されていた。垂れ幕、手作りのプラカード、そして八木沢応援団の一部には阪神タイガースの帽子。

わたいの座る三条の席には、紫の厚紙に白く「三条 参上!」と書かれたものが。
ほかに、同じく「三条 参上」のA4サイズくらいのカードや、横長の応援幕「浜の番長 三条美智留」もあって、スタッフが適当に配って歩いた。

ここでは応援席から、それぞれ贔屓の選手に声援を送るという場面なので、わたいは三条コール一本だ。

三条ーーーっ

三条 参上」の応援幕を隣の人と持って、左手のメガホンを手すりに叩き付けながら声援。

ちなみに三条美智留は行方不明の父と会いたい一心でバレーボールを続けてきた、やや薄幸、やや性格ねじ曲がり気味のキャラだったが、とあるエピソードからやや明るくやや素直な性格にシフトし始めた選手だ。そのひねた性格と紫のイメージカラーから、仮面ライダー王蛇に通じるものがある。全日本高校選抜メンバーのなかでは垣之内と並ぶマニア向けのキャラと言える。

10:37
シーン34撮影のため、レールは撤収された。
垣之内応援団席の人、次のシーンで映るコート横の席を埋めるために動員される。

再起不能か思われていた鮎原が、スターティングメンバーに入っているというアナウンサーの声に、会場がどよめき「こずえコール」が起きるという場面。

「鮎原コール」ではなく「こずえコール」なのは、鮎原の選手登録名だけが、ほかの選手のように名字ではなく、「KOZUE」だかららしい。

1拍めと3拍めに手拍子を入れながら、「こ、ず、え」の声援。ただし声無し、音無しで。
コールに応じて鮎原が頭を下げたら、観客席は歓声に移行。

テスト後、本番。

10:56
撮影された今のシーンをカメラのモニタでチェックする全日本高校選抜の面々。
両手でカメラをもって手が塞がっているカメラマン助手に、おそらく次のシーンで使うであろう涙用の目薬をさして遊ぶ鮎原。

11:05
サイド復帰の鮎原への「こずえコール」。今度は鮎原のアップで。

吉村はずいぶんと体調が悪そうな様子。朝のうちは撮影待ちの間、普通のコートを羽織っていた。その後コートは脱いだが、出番がないときはずっとへたり込んでいる。

一方ブラジルチームのゼッケン3は自陣コートの右隅で、タオルを枕に本気で眠っていた。ブラジルの出番となり、リベロのゼッケン6に叩き起こされる。

11:15
鮎原の“すごい”サーブが決まり、驚いて振り向いた早川をはじめ、全員が鮎原の元に駆け寄って祝福する場面。

“すごい”サーブに一歩も動けず茫然と見送るというブラジルの演技指導が延々と続く。

暇を持て余してストレッチをしている鮎原。足を伸ばしたままぺたんとお尻をついて、そのまま前屈。
体操座り(三角座り)でぼんやりする吉村。
あぐらをかいて待っていた三条は、やがて仰向けに寝た。
吉村も横寝に移行。覗き込むスタッフに何度かうなずく吉村。
本番の声に全員起き上がる。

11:22
本番。一度でOK。

吉村の額に手の平、手の甲をあてる八木沢。風邪か。

11:25
鮎原の新サーブ「木の葉落とし」を見て観客熱狂の場面。

ブラジルチームが、その落ちるボールを見て驚く演技がよろしくないようで、監督から注文がつきまくり、4回ほど撮り直す。
副監督が実際にサーブをしてみせ、そのボールを眼で追うことで感触を覚えさせる。
ブラジル人、役者は素人か?
そして副監督、一発で狙ったところにサーブを決めるとは、玄人か?

11:42
同シーンOK。

ブラジルの応援席にはちょっとしか人数はいないが、ラテン特有のハイテンションでうるさい。一度「ひゅーひゅー」言い出すとなかなか止まらない
フラッシュ焚いて記念写真まで撮っている。無法状態。

ここからしばらく、「木の葉落とし」を見た観客の雄叫びシーン撮影が続く。

12:19
バックアタックが決まったあとの「こずえコール」の場面に移る。

待っている間、ぐったりとコートで寝そべっているレギュラー一同。
三条は全日本高校選抜のジャージを羽織ってあてどなくうろうろするか、まっすぐな姿勢で仰向けに寝て天井を見つめるかのどちらかが待ちの態勢らしい。
鮎原だけはみなから離れ、体育館中央でうつぶせになり、マネジャーらしき女性に腰のマッサージを受けている。

控え選手らは元気が有り余っている。レギュラーでひとり元気な垣之内を交え、自陣コートの左下にあたる観客席のすぐ下あたりで円になってボールをパスして遊んでいる。

12:31
シーンはさっき撮ったところよりも遡り、日本チームが入場するのを応援席が今か今かと待っている場面。

応援団は「ニッポン チャチャチャ」のリズムを取りながら待っているという設定。

このときキャストと一部スタッフは昼飯時間になったらしい。さっきまで転がっていた全日本高校選抜選手一同、急にテンションが上がって現場から去る。
ブラジルチームにはまだ出番があるのか、コートでアップ中。

ニッポン チャチャチャ」は長い時間撮られるが、掛け声が揃わない。
揃わないままで、OKが出る。

ちなみにわたいの左隣に、ひとりで来たと思しき顔の濃い男の人がいたが、彼は恥ずかしがり屋さんなのか、そもそもが覇気のない人なのか、今朝からまったくやる気ない感じ。一応メガホンを叩いているが、まったく声が出ておらず、無表情。ちょっと恐い。

12:40
さらにシーンは遡り、まだどのチームも入ってきてない状態でざわざわしながら待つ観客が、選手入場のアナウンスで立ち上がり、盛り上がるシーン。

普通にざわめいておくように、また、立ち上がったら贔屓の選手の名前を叫ぶように指導され、本番。

ブロックごとに贔屓選手を指定される。
うちのブロックはもちろん三条。

三条三条叫んだもんだから、不思議なもので三条のファンになってしまった。

三条ぉぉぉぉおおおっ!

12:47
またまた遡って、選手はまだ控え室にいて、観客がほぼ席に着いたくらいの場面。適当にざわざわしているところを求められるが、「ざわざわって言われてもねぇ」と隣の人とざわざわしてみる。

12:58
全員、ブラジル側コートの観客席に移動。
これまでと同じ掛け声を、順番に撮影する。あとではめ込み合成するそうだ。

席は「赤1-19」。「日本女子 大和撫子 バレーボール」の垂れ幕の上だった。

13:15
昼休み開始。
メールには「出ない」、朝もらった紙には「出る」と書かれていた弁当が出た。
弁当と350mlのお茶缶。
数種類から選べたので、焼肉弁当みたいなものをもらう。

最初の席に戻って食う。手すりに缶や弁当のふたを置けるので便利だ。

13:35
ふと見ると、衆目監視のなかで記者団の男性エキストラたちが服を着替えている。控え室もないのか。おっちゃん、パンツ見えてるぞ。私服に着替えたおっちゃんたちは、何食わぬ顔でどこかに去る。

この人たち、別に何をするでもなくただそこにいるという役らしい。一種の大道具扱いで、画面に映るからいてもらわないと困るのだ。昼休みもずっとコート脇にいるのかと思っていたが、わずかな時間ながら解放されたようだ。

13:37
椅子に座ったまま腕組みして眠る。

14:05
ADのマイク音声で目が覚める。撮影再開だ。

カメラは回さないで、以下の声だけを録る。
ニッポン チャチャチャ
こずえコール
てんでんばらばらに選手へ贈る声援
個別選手に贈る声援(吉村早川三条、八木沢、垣之内の順。鮎原はなし)

喉が枯れた。
左隣の顔の濃い男の人は、相変わらず無表情で黙ったまま。恐い。

14:25
次にブラジル応援団の声録りに移るが、助っ人に“サンバダンサー”を呼んでいるらしく、それの準備待ち。

14:32
派手なサンバダンサー4人を迎え、ブラジルチーム応援の声録り。
小人数でもうるさいのが売りだったが音量は足りないようで、ひとりで日本人3人分の声を出せという指示がADから飛んでいた。容積が日本人の倍近い体型とはいえ、それはどうだろう。

この録音中、いつの間にか定位置に戻ってきていた記者団が、小道具のカメラのズームレンズを活用してサンバダンサーを眺めていた。カメラ小僧か。

14:41
音録り終了。

このあとは客席での場面を撮るということで、カメラが客席に上がってくる。
ということはつまり、富士見バレー部や、選手の家族や友人らを演じる役者さんが応援席に入るのだろう。

ADの指示で、座席を移動。演技が行われる富士見応援団席の後ろにある出入口付近の席を埋めるようにということなので、出入口の上の席に座る。

空いていた左側の席に、後ろから背もたれを乗り越えてTシャツに白っぽいシャツを羽織った男が飛び込んできた。さっきの席にいたときも、「三条 参上」の紙を踏みつけながら人の前を何も言わずにまたいで行った男だ。

黒い服の若者を挟んでひとつ向こうに座った白シャツはよくしゃべる男で、のべつ幕なしにしゃべり続けていた。

ここ映るかな。映んなくていいや。カメラこっち向いてないもん。いつもそうなんだ。こないだも朝から晩までいてカットされちゃって。いつもだもん。もう映んなくていいよ。カメラこっちに向いてないよ。微妙。もうちょっとこっち寄ったら入る? 入る?

エキストラあらしか。一緒に来ているらしい黒シャツは比較的大人しい男で、ボソボソと応対している。

15:26
鮎原こずえの両親が登場する場面。
出入口から現われた鮎原良夫が、会場の熱気に「すごいなあ」とため息。

何度かテストを繰り返し、途中から通行人にサンバダンサーを起用したことで、派手さが増した。

どこまで映っているのかわからないが、一応富士見応援団席周囲は、映っている前提で試合を待っている演技。

何人かのエキストラが、ADから通行人を指名されて右へ左へと動いている。わたいの右隣の人たちも、会場にやってきて席に座る、という演技指導を受けて通行人を演じた。

おいしいなあ、通行人やりたいなあ。オレなら本番でカメラ回ってるとき転ぶね。NG出るまでやるね。だっておいしいじゃん。おいしいよ。転ばなきゃだめだよ

白シャツが自説を開陳しているとき、富士見バレー部一般部員に何かを渡していたスタッフの女の人が、つまずいてコケた。

なんだよ。オレより先に転んじゃってよ。おいしいとこ全部もってかれちゃったよ

いや、誰も白シャツからは何も持ってってない

15:35
ラーメン屋の大将が登場する場面。
ひとりで入口から姿を現わした大将に、先に来て座っていたラーメン屋常連三人組が「大将! こっちこっち!」と声をかける。

ここでも口パク応援。

富士見学院バレー部席に、レギュラーが入ってきた。
元主将大沼みゆき、中原淳子、友近瑞穂、馬場千登勢、ゴリこと石松真理。レギュラーにはもうひとりリベロの須賀いずみがいるはずだが、なぜかおらず、知らない人がその代わりに入っていた。替え玉か?

あ、富士見来た。みんないるよ。すごいね。なんだっけ、あのキャプテン。キャプテンのあのシーンよかったよなあ。なんだよ知らないのかよ。ほら、あの、辞表出すシーン

……退部届。

15:40
カメラがやや階段の上に移動して、再び鮎原両親の登場場面。多分、表情のアップを撮っていると思われる。

15:50
カメラまた移動して、鮎原両親が階段を降りる途中で、早川みどりの母に見つけられる場面。

15:55
カメラさらに上に移動。通路の上に設置して、ラーメン一番の大将、一ノ瀬新平の登場を俯瞰で押さえる。

このときテストでは、小学校低学年の姉と弟が通行人をしていた。ADの「よーいどん、でこの階段上がって、自分の席のほうへ走って」と指導され、見事に役目を果たしたのはよかったが、そのまま自分の席に帰ってしまった。
ADは彼らが戻ってこないのに直前まで気付かず、本番では別の人をアサインして歩かせた。
本番を取り終えたカメラマンから「カジ! 子供は!?」とツッコまれていたが、「見たらいなかったんスよ!」と強気のAD。

16:05
カメラがまた下の富士見応援団席に移動。
監督が出演者たちにこれから撮るシーンを説明している。

富士見応援団が起立。

エキストラが午前中から昼にかけて行なった全日本高校選抜登場シーンの、鮎原こずえスタメン出場から「こずえコール」にいたる一連の場面を撮るようだ。

16:33
一連の本番にOKが出る。

16:35
両親らのツーショット場面に移行。

ここで富士見レギュラー陣は出番を終えて退出。やっぱり須賀がいないな。

でさ、でさ。富士見バレー部のシーンいつ撮るの。映るかもよ、富士見のときはさ

残念だが今、撤収。見てないのか。

16:44
鮎原父、手にしたDVカメラのファインダーに娘が映っていることに気付き、おや?と反応する場面。

16:46
富士見応援団が「こずえーっ」と叫んでいる場面を4カット連続で撮影。
うぉー」「こずえ!」「うぉー」「(さらにテンション上がって)うぉー」。

白シャツは一度席を離れ、日本側コートの真後ろあたりで富士見応援団の演技を眺めていた。その後姿を消したと思ったら、なにやら応援グッズを両手に抱えて戻ってきた。
空いている席に置いてあった応援グッズをパクってきたらしい。

どう、風船とメガホン。欲しいでしょ。要るよね、応援グッズ。持ってるほうが映るんじゃない? 扇子が欲しかったなあ、扇子

扇子はわたいの右隣の人が持っている、日の丸が染め抜かれた扇子のことを指している。

扇子いいよね、仰げるし映るし。ホントは台本探してたんだけどさ。なかったよ。あっても持ってきたらダメだよね。でもあったら持ってきたけどね

富士見応援団のカメラテストが終わり、本番の声がかかる。静まり返る場内。

でもあれだね。まだ撮ってんだね。スタッフももっと段取りよくどんどん撮ればいいのに何やってんだろね

まさに今どんどん撮ってるその本番中だ。

カメラが回ったというスタッフの声にもまだ気付かずしゃべり続ける白シャツ。その声が届いたらしく、音声スタッフが声のするほうを睨んだ。
かろうじて撮り直しにならずに済むぎりぎりのところで、白シャツは広い会場の中で自分だけが音を出していることに気が付いて、その場は収まった。

17:00
カット32。
鮎原両親、早川母、大将が応援しているところを、それぞれ単独で撮る。

撮影している様子は、真後ろにあたるわたいらの席からは見えない。

暇になってしまった白シャツは、帰りにもらえる記念品のことで頭がいっぱいだ。

オレこないだタオル欲しくて最後までいたからさ、もう今日はタオルいらないや。タオルいらない。あの(スタッフが着ている)Tシャツでいいや。それか富士見のジャージ。どっちでもいいや。Tシャツがいいな。あのTシャツなんて書いてあるの。“ATTACK No.”……“01”。01じゃなくて1って書いて欲しかったなあ。1でしょ普通。1だよね。アタックNo.1だもん01じゃないよね。で、やっぱりタオルかな。わかんないや。気配ないもん

気配ないどころか、会場出たとこのロビーに「アタックNo.1 タオル」てでかでか書かれた段ボールが積んであったやろ。落ち着け。

17:25
鮎原両親、早川母、大将はこれにて全編出番終了。
オールアップということで、会場から拍手を受けて退場。

引き揚げる役者が下を通っていったのを見送った白シャツは、豪語。

映んないからさ、テンション上がらないよね。オレだってカメラがあってセリフがあれば決めてやるよ。なあ?

……。

全然映んない。オレわかった。今度から大勢のエキストラのは応募しない。10人から20人くらいのやつがいいね。だって映りそうじゃない。ほら、10人以下だとさ、それなりの演技力求められる

さっきの「決めてやる」は何を決めるつもりやってんや。

17:27
猪野熊監督がアリーナ奥の扉に現われ、撮影を眺めている。

17:28
本郷の同僚教師と三田村のコンビ、ラーメン屋常連の三人組の応援場面。
三田村のキレた応援が周囲の笑いを誘う。

しかしすごいね。レギュラー総出演じゃない? こんなのオレ初めて。みんな来てるよ

連れの黒シャツに、死んだ人は来ていないと指摘された白シャツ、確かにそうだとうなずいた。

あ、そうか。三位一体のおかあさん!

病死した八木沢三姉妹の母(大林素子)。なんでそない中途半端に知ってんねん。勉のことや一ノ瀬勉。黒シャツもツッコめ。

17:31
“田村先生”と呼ばれる男性が登場し、「こずえコール」に参加。誰?

17:36
ブラジル側コートにキャストとスタッフが集合。
猪野熊監督の登場に、会場は拍手の嵐に包まれた。笑顔を両手を合わせお礼を返す猪野熊監督。出演者のなかでも群を抜く愛想のよさ。
おや、さっきいなかった須賀いずみがいるぞ。今来たのか?

オールアップの役者は花束を渡され、カメラの前でひと言ずつ挨拶。

ラーメン一番の大将、鮎原母、鮎原父、早川母、本郷の同僚教師、三田村、そしてラーメン一番の常連三人組。

司会(副監督)は三人組を一人ひとり紹介しようとしたが、誰かに言われて三人まとめての紹介に変更。挨拶のひと言も、真ん中に立ったひとりだけで、あとのふたりは割愛。

これがレギュラー陣が大勢集まる最後の機会となるらしく、全員で記念写真。番組途中で消えていったラーメン一番の息子、一ノ瀬努や八木沢母、全日本高校男子選抜だった柴田らは、後々写真に丸枠で焼き込まれるのか。

17:57
猪野熊監督が観客席に現われ、コートの試合ぶりをしばし眺め、去っていく場面を撮る準備が始まる。

トイレに立ったら、ロビーで待機する猪野熊監督がベンチに座り、エキストラが連れてきた小さな子供に優しい声をかけていた。笑顔に凄みが。

18:03
ADの指示で、席をブラジル応援団の斜め左後ろあたりに移動。緑7-79。

隣にいた香水ぷんぷんの小太りな男とその隣の金ネックレスは文句タレで、同じ場面を何度も繰り返し撮影するのに自分が映っていない、と理不尽な愚痴を爆発させている。知らんがな。

18:16
猪野熊監督が階段を降り出口に向かいながら、「大したやつだ、鮎原」とひと言漏らす場面。

18:23
本番OK。

このあとしばらく、カメラは階段と会場の外で猪野熊監督を撮影していたようで、客席は待機。
待ちくたびれた香水と金ネックレスが「だるいだるい」と言いながらどこかに消える。

18:40
カメラが戻ってきて、入口の階段上に設置される。

18:45
無人の階段を撮影。

18:53
カット52。猪野熊監督がブラジル応援団の後ろでコートを見ている場面。

撮影の合間に、ADをつかまえて何か言う猪野熊監督。周囲の観客がウケていたが、何を言っていたのかはわからない。

このシーンを撮り終えた猪野熊監督は、拍手を贈られながら退場。

19:00
ブラジルチーム入場時のブラジル応援団の熱狂ぶりを撮影。

周りの我々は、ADの指示に合わせて、「ニッポン」コールや贔屓選手の応援などを口パクで行なう。

19:18
カット6。同じシーンの続き。
いつの間にか富士見バレー部レギュラーがブラジル側コートの向こう、記者席の後ろへ来て見ている。

ブラジル応援団が太鼓を叩いて踊りまくり狂乱する周りで、「ニッポン チャチャチャ」を繰り返す日本応援団の図。

OKが出て、4人のサンバダンサーはお役御免となり退場。

同時に富士見レギュラーも控え室に戻って行った。サンバダンサーを見に来ていたらしい。

19:22
アナウンサー席でアナウンサーが語る場面。
ブラジル応援団は席を離れ、代わりに日本人が座り、アナウンサーの周りを固める。

19:29
アナウンサーの「選手の入場です」の声に合わせて立ち上がり大声援という場面。

既にアナウンサーなしで何度か撮っているので、エキストラも心得たもの。簡単にOKとなる。

撮影は富士見学院の応援席に移る。
富士見バレー部のレギュラーが応援を繰り広げる場面。

座っている席から遠いところで撮影が進んでいるので、参加することもなければ、何をしているのかもわからず、暇。
手持ちのお茶など飲んで一息ついていたら、右横と右斜め後ろのふたりがしびれを切らし、「ここにいても映らないし、下に行って観ようぜ」と走り去った。

その直後、小走りでADが近寄ってきた。
そこの人、何人か来て
そこの人って、ここのわたいらか。
呼ばれて行ったら、通行人をやれという指令。

隣のふたりがいなくなっていなければ、回ってこなかった経験。人間、慌てて動くもんじゃありませんな。

場面は富士見バレー部のレギュラーが座席横の階段を降り、応援席に着くところ。

入口下で待つわたいと黒い服の女性は、本番スタートの掛け声で階段を上がって富士見応援団の席の後ろに出、そのまま画面左手にハケるのが役目だ。

テストを一回やってから本番。OK。

座るところがなくなったので、観客席の一番後ろに登って、立ち見する。

19:49
引き続き富士見応援団が声援を飛ばす場面。

ゴリが「おやびーーーんっ!」とか叫んでいる。
それぞれのシーンを順番に撮影していく間、エキストラは周りで口パク応援。

19:56
ふと横を見ると、映っていない席でブラジルチームの選手ゼッケン3が、ぴこぴこと携帯メールを打ち続けている。
ひとつ空けた向こうの席では、リベロのゼッケン6が本を読んでいる。照明のないずいぶん暗いところでペーパーバックの小さな文字を追っているが、目を悪くしないか心配だ。

20:07
鮎原や早川がスパイクを決めたときの富士見学院応援団の歓声や、や「こずえコール」を連続して撮影し終える。

20:09
富士見バレー部レギュラー、オールアップ。
鮎原と早川、本郷が観客席に現われて花束を贈呈。

友近、須賀、馬場には鮎原と早川から花束が。
中原には本郷先生が花束を渡して抱擁。
続いてやや泣きながらコメントした大沼にも本郷が花束を渡し、ちょっと躊躇してから抱擁。

この様子をコートから、全日本高校選抜メンバーらと猪野熊監督が見ている。
八木沢香、垣之内、吉村、八木沢静(ゼッケン12)。三条の姿は見えず。

20:15
夜の休憩。

再び弁当が出る。昼と同じ店の弁当だが、種類が異なっていた。また、昼は弁当と箸が別々になっていたため、最後になってなぜか箸だけが足りなくなっていたという戦訓に基づき、弁当に箸を輪ゴムで留めた状態で全体にラップをかけ、弁当と箸が常に一対一対応を保つよう工夫されていた。

豚丼を選択。

一番最初に座っていた席にはどなたかが使っていたので、弁当の蓋が置けて便利な手すりのある最前列で空きを探し、日本側コートの真横に陣取る。緑1-45。

やがてコートには全日本高校選抜とブラジルの選手たちが現われた。試合の場面を撮るらしい。

20:50
撮影再開。

監督の説明で、スタッフと役者がシーン58の動きの確認を行なう。

三条、垣之内、早川、吉村はジャージ上下。
三条も実は風邪なのか、喉にスカーフを巻いての登場だ。
鮎原は下だけジャージ。八木沢だけが臨戦態勢で、元気。

暇なのでユニフォームに書かれた名前を控えてみた。

〈全日本高校選抜〉
1 KOZUE
2 YAGISAWA
3 SANJO
4 HAYAKAWA
5 KAKINOUCHI
6 YOSHIMURA
7 MIKIMOTO
8 KAIMORI
9 WASHIO
10 WAKUSAWA
11 S. YAGISAWA
12 K. YAGISAWA

〈ブラジル〉
2 MARIA
3 CUSY
5 GABRIELA
12 ANNA
(あとは不明)

ブラジルのゼッケン2“マリア”は応援団から大人気で、朝からこの時間まで、コートに姿を見せると常に「マリアーッ、マーリーアーッ!」の声援がブラジル応援席から飛んでいる。なんなんだ。誰かの娘か。

記者席の後ろに、全日本高校選抜のユニフォームを着た替え玉が控えている。ゼッケン2の八木沢とゼッケン4の早川。本格的な動きが必要なときは彼女たちが演じるのだろう。しかしゼッケン4はともかく、ゼッケン2は……体型が全然違う……。いくらなんでもバレるのではないか。
やがてゼッケン1、鮎原の替え玉もスタンバイ。こちらもかなりがっしりとした体型で、オンエアを意識しながら観るとわかる。

カメラテストを繰り返すなかで、空いているのが気になる席へ観客を移動させるよう、カメラマンからADに指示がある。
もう夜も遅いので、最初は400人くらいいたんじゃないかと思われるエキストラも、半分くらいに減っていた(日本野鳥の会ではないので不正確)。そのため、席をびっしりとは埋められないので、画面に入るところを現有人員でうまく埋めていかなければならないのだ。
わたいの座るブロックはコートの真横だが、コートに向かって左端は映らないところにはみ出していたらしく、端から3列はヨソに移された。

白シャツと黒シャツは午前中に得ていた最前列を、午後ほかの席へ移動している間もずーっとカバンを置いて確保しており、今はそこに戻っていたのだが、ADの一言で一番後ろ、上の段の光さえ届かない観客席に飛ばされて行った。大声でボヤいている様子が目に浮かぶ。

観客席のセッティングが進む間、コートのレギュラー陣は暇。

いつものように仰向けで寝る吉村。
これまたいつものように仰向けで寝る三条。
たまたま彼女らふたりの足先が、仮想円の中心を指すように揃っていた。
それに気付いた垣之内が、足先をその中心に揃え、ふたりの真似をして仰向け寝。
垣之内の動きに気付き、乗じる八木沢。
状況を察知して乗る鮎原。これで5人の頭を頂点とするアスタリスクが完成。
そこに、遅れて気が付いた早川が参入するが、もう足先を揃える場所がない。しかしアクションを起こした以上、途中で止めるわけにはいかず、とにかく仰向けに寝る早川。
このパフォーマンスに、会場からは一斉に拍手が贈られた。

観客の用意ができたところで、鮎原がバックアタックを決める場面を撮影。
棒の先にボールを付けた道具でボールの軌跡が示され、演技の際の視線を合わせる。
実際にはボールを使わず、バックアタックのアクションを見て、ボールの着地を想像しながら口パクで声援を送る。

21:25
エキストラは全員立ち上がり、ブラジル側コートに一斉に移動。
立ち上がったら、そのまま横移動するのだが、このとき、より有利?なポジションを得ようと、走ったり、椅子を飛び越えたりして最前列に割り込む人が多かった。おかげで、そのままならブラジル側コートの後ろの端っこになるところだったのが、前に割り込んだ人に助けられ、コートの後ろ正面あたりになった。

またブラジル応援団も必要なシーンを撮り終えたとのことで、ここで終了。明るくうるさく去って行く。最後まで「マーリアーッ!」と叫びながら。

観客の移動が終わったら、鮎原がサーブするところを後ろから撮影。
踏み切り板のようなものが置かれ、それを使ってのジャンプサーブ。ボールは使わず、ふりだけ。

21:31
鮎原のサーブに合わせて「そーれ!」の掛け声。声出しで。

この場面を撮り終え、ブラジルチームは無事終了で放免される。拍手に送られて退場。

鮎原の替え玉がコートに入りウォームアップ。自陣コート左隅でレシーブの動きを繰り返している。

カメラは監督の指示にしたがって、会場内の垂れ幕類を撮影。

頂点まで駆け上がれ!
ブラジル国旗
日本国旗
日本女子 大和撫子 バレーボール

オンエアでは使われなかったこれら垂れ幕と国旗単体を撮り終えたところで、エキストラは役目を果たし終えて解散となる。

21:47
エキストラの全日程終了。

ふたつある出入口から順次会場の外に出る。
コートにはまだレギュラーがいるのでコート横で列が団子状態。後ろのほうにいた人たちも、最後くらいはできるだけ近いところで見ておきたいのだろう、どんどん前列に雪崩れ込むので、出口から遠いわたいたちのところはなかなか前に進まない。

じわじわ進みながらコートを眺めていると、猪野熊監督が現われ、観客席からの黄色い声援に応えていた。
鮎原も機嫌よく手を振ってエキストラを見送る。
記者席の向こうでは、オールアップしたはずの須賀がまだ富士見のジャージのままで立ち、やがてスタッフらとバレーのトス遊びを始めた。
三条はジャージを羽織って、ふらふらと奥に消える。

このあと全日本高校選抜レギュラーらは朝の5時前まで撮影をしたらしい。

とどろきアリーナの出口で、無表情な警備員から記念品のタオルをもらって帰る。

PICT6812.jpg


■アタックNo.1
テレビ朝日公式サイト
http://www.tv-asahi.co.jp/no1/
キャンペーンサイト
http://www.ano1.jp/

〈6/17に登場したキャスト〉
鮎原こずえ 上戸彩
八木沢香 宮地真緒
三条美智留 遠野凪子
早川みどり 酒井彩名
垣之内良子 秋山エリサ
吉村さとみ 加藤夏希

大沼みゆき 大友みなみ
中原淳子 久保田磨希
須賀いずみ 仲村瑠璃亜
馬場千登勢 高橋亜里沙
友近瑞穂 清岡祐斐
石松真理 森田彩華

猪野熊大吾 船越英一郎
本郷俊介 中村俊介
松本悟志 深江卓次

一ノ瀬新平 竜雷太
鮎原良夫 清水章吾
鮎原亮子 岡江久美子
早川波子 朝加真由美

本郷の同僚教師 ?
三田村裕次 森本亮治

ラーメン一番の常連 永田恵悟、杉田吉平、飯島ぼぼぼ

全日本高校選抜のサブ6人
MIKIMOTO、KAIMORI、WASHIO、WAKUSAWA、八木沢静、八木沢桂
折原ゆう、西秋愛菜、山口由香里、渡部彩、早坂美緒、涌澤未来(誰が誰かわからんので順不同)

以上。

スタッフ、キャストのみなさん、当日参加されたエキストラのみなさん、お疲れさまでした。

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2005.01.02

ネバー・ギブアップ ネバー・サレンダー

今日の深夜2時20分から(つまり1月3日の2時20分から)、『ギャラクシー・クエスト』が放映される。

2000年公開だったのに、今でもUIPの公式サイトは健在。

言うまでもなくスタートレックの、とりわけTOSのパロディ。
より正確に言えば、TOSのレギュラークルーを演じた役者たちとそれを取り巻く環境を丸ごとパロっている。
しかも本家の映画10作品よりおもしろいじゃないの!という、STファンにとってはうれしいような悲しいような複雑な映画だ。

『宇宙大作戦 GALAXY BOX』を見た人なら間違いなくウケる。
『宇宙大作戦 GALAXY BOX』をこれから見る人にも間違いなくウケる。
『宇宙大作戦』を知らない人にさえだいたいのところウケる。

正月二日の深夜は、これに決まりだ。

■ギャラクシー・クエスト
TBSテレビ(6ch)
2005年1月2日深夜2時20分~4時24分




……煽っておいてなんだが、わたいは裏で放映されているチャウ・シンチーの『食神』を録画することをお許しいただきたい。

■食神
フジテレビ(8ch)
2005年1月2日深夜2時55分~4時47分

↓こちらはネタバレが気にならない方に限り、観る前に読むべし。
食神-チャウ・シンチーを見ろ!-

↓こちらは作品もさることながら、本人が気になる方向け。
周星馳 Friend’s Club(公式ファンクラブ)

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2004.12.30

ドラゴン危機一発

溜まっていた録画を消化。

※ネタバレ注意

李小龍演じるチェンが、製氷専門の町工場に世話になり、喧嘩を収めたことで人望を得て工場長となる話。
その製氷所が実は麻薬流通に手を染めて儲けていたとしても、割と小ぶりな骨組みの話だ。

製氷所の秘密を知った従業員は、工場長とオーナーの手先によって順次消されていく。
行方知れずになった従業員が、殺されて氷詰めになっていることを知った工場長チェンも当然狙われるが、さすがは主人公、全員を返り討ちに。ところがその間に、仕事仲間たちが全滅させられていた。

怒りの工場長は、「仕返ししてやる!」と息巻いてオーナーの自宅に乗り込み、広い庭で死闘を演じる。ラスボスとなるこのオーナーが、意外と強い。
ふたりが死を賭して戦う庭の向こうを引いた画面で捉えた映像では、一般道を普通に市バスが走っていたりしてのどかだ。

結局、オーナーと取り巻きとを全員漏れなく殺害した工場長を、駆けつけた警察が確保。

ドラゴン、危機一髪!

って、危機一髪ちゃうやん、捕まってるやん、最後。

だから一発なのか……大正製薬か。

ドラゴン危機一発
 ¥3,990(税込)
 ジェネオン エンタテインメント

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2004.09.25

エースをねらえ! 奇跡への挑戦

長い長いあらすじ:どこかの山奥に建つ寺で般若心経を唱える坊主。仏具の傍らには宗方仁と書かれたラケットが。宗方仁の通夜には竜崎コーポレーションからの献花。居並ぶ西高テニス部レギュラーのみなさん。確執の消えた音羽さんも列席。牧だけが制服。ふらりと立ち上がった緑川蘭子は、坊主が読経しているのを無視し、棺桶にすがりついて号泣する。思わず坊主も絶句。

コーチの死を知らされないまま、ニューヨークでマリア・ヤングと試合をする岡ひろみ。客席で太田と一緒に観戦しながら藤堂さんは気もそぞろ。「カモ~ンッ」といかにもアメリカンな感じで挑発しながらプレイするヤングに対し第1セットを6-2で落としたひろみは、気持ちを切り替えて臨んだ第2セットから動きがよくなってくる。最初は余裕をかまして相手を讃える拍手をして見せたりしていたヤングもだんだん本気に。第2セットを6-4で取ったひろみを、スコアボードの下でネズミ男、いや冒頭の読経坊主がじっと見つめる。第3セットもいい勝負。ひろみがフォアから繰り出したクロスボールに、ヤングは反応できず。しかしボールは微妙にラインを越えてアウト。満足そうなひろみと、苦渋の表情のヤング。顔だけ見ているとどっちが勝ったかわからない。

銅メダルを獲得しスタンドの拍手を浴びるひろみは、コーチにもっと教えてもらってがんばろうと気持ちを新たにする。「必ず行くから」と言っていたコーチがとうとう来なかったことにはなんの疑念も持っていない様子。

帰国したひろみを、手巻き寿司の用意をして待っている岡家。具を両手につまみながら階段を登ったひろみは、登り切るまでにすべて食べ終わったらしく、部屋に入るなりゴエモンを抱き上げる。

おそらく食事後だろう、ジョギングに行くついでにメダルを持ってコーチに報告に行こうとするひろみを両親が止める。食べたあとに走るのはよくないからではなく、もう遅いからという母の説得を聞かず出かけようとするひろみに、父が冊子を渡し、読めと言う。それは宗方仁の絶筆日記。前から順番に読まず、しおりが挟まっている1月15日をいきなり読み出すひろみ。読み進めるうち、だんだん雲行きが怪しくなってきたので表情が曇る。

みみずがのたくったような「エースをねらえ」の文字を最後に、日記は真っ白。いくらめくっても真っ白。ひろみの頭の中もどんどん真っ白に。「お前が旅立ったその日に……」と父にトドメを刺され、結局走り出すひろみ。ジョギングどころか全力疾走。

なぜか元西高の面々がうち揃い、宗方家にて遺影の前に正座。太田コーチは自宅だからそこにいるのはわかる。藤堂さん、尾崎さん、千葉っち、お蝶夫人までもまあよい。音羽さん、あなたはいつからメンバー入り? そして牧も完全に行動をともにするようになっているのはなぜだ。

全員集合の遺影前に岡ひろみ乱入。「絶対に信じないっ」と叫ぶと、雷鳴の響くなか、走り去る。手分けして探そうという太田コーチの指示で一斉に散るレギュラー陣。お約束の雨がざんざか降ってくる。藤堂さんが思い当たって向かったコートでは、ひろみがどこからともなくラケットとたくさんのボールを持ってきて、ひたすらサーブを打っている。ほかの連中も、どこでどう知ったのかOB+牧も全員一緒に到着。太田だけいやに遅れて辿り着く。ひろみは最初こそ地面に置いてあるボールを拾って1球だけ打ったものの、藤堂に制止されるまですべて上着の左ポケットから球を取り出してサーブ。マジシャンとしての才能も発揮。

雷鳴とともに坊主現る。「宗方は死んだ」と一喝。自分だけちゃっかり笠を被っているのに気が咎めたか、笠を取りながらまた言い放つ。「認めろ、宗方は死んだんだ」 なんなんですかあなたは、と視聴者を代弁する藤堂さん。しかし岡ひろみしか見ていない坊主は無視。「死んだんだ」。なに言ってるんですかあなた、と詰め寄る藤堂さんをさらに無視して「岡、認めるんだ、宗方は、死んだ」と繰り返す坊主。「死んだ死んだ宗方は死んだ」と言い募る坊主に、やめろと叫んでグーで殴りかかる藤堂さん。一発顔に喰らってようやく藤堂さんがそこに存在していることを認めた坊主だが、直後にひろみが泣き崩れたため、また無視。気を失ったひろみは、車で迎えに来た父が連れ帰った。

坊主は宗方家に上がり込み、遺影に向かって読経。太田コーチによれば桂大悟という名のその坊主は、宗方の中学からの親友だという。千葉っちはテニス選手としての桂大悟の経歴に詳しい。さすがはテニスマニア。親友はいいが、なぜ岡くんを……と訝る藤堂さんの問いに窮する太田を制し、桂が「俺から話そう」と振り返る。

桂は仁の選手生命を奪ったのはこの俺だと衝撃発言。しかし反応したのは藤堂さんひとり。自分が打った一球のせいで仁が二度とテニスができなくなったため、寺に入り、岡ひろみという選手を引き継ぐことを約束したと言う。こうして書くと話のつながりがよくわからず、なに言ってんだこの坊主と思うが、その場では一同納得して聞き入っている。

岡は今、仁を失ってまさに慟哭の中にある。慟哭から抜け出すのはたやすいことではない。だが、慟哭の中にこそ真理があり真髄が見える。大した苦しみもない代わりに大した喜びもなく、ぬるま湯に浸かったように生きて死んでいくならそれもよし。だが、一度慟哭を味わった者は、その慟哭と真正面から対決しなければ、真の人生は決して、生きられない。どうだろう、親御さんはきちんと俺が説得する。だからしばらく岡を、俺に任せてくれないか」 長台詞を一気に吐く桂。任せろってなにを言い出したんだこの人は、という目の藤堂さん。

その頃、意識を取り戻したひろみは自室で慟哭。ゴエモンはどこにいるのかわからない。朝まで泣いたらしく、コーチの日記を持ったまま抜け殻のようなひろみ。

日を改め、藤堂さんに荷物を持たせ、牧に付き添われて寺の階段を登るひろみ。門の中で待っていた桂に身柄を引き渡される。ひと言も発さずに帰る藤堂さんと牧が背を向けた途端、腑抜けのようなひろみに水を浴びせかける桂。思わず駆け寄る牧。見ているだけの藤堂さん。なにするんですか、と詰る牧に、「宗方が鍛えた身体だ、このくらいのことでは壊れない」と論点をずらして答える桂。禅問答か。

藤堂さんらが帰った直後、濡れたついでに滝へ連れていかれるひろみ。その後どうなったのかは描かれていないため謎。

寺での生活が始まった。経を読む。水を汲んで運ぶ。水汲みルートには荒れ果てたテニスコートがある。コートのある寺というのもどうだ。檀家はどんな気持ちだろう。座禅を組み警策で叩かれる。床掃除。ひろみは膝を曲げない前屈で床を拭く。なぜそんな無理をする。坊主の読経に付き合う。山頂の祠まで歩く。シーンごとに服が違うところを見ると、あの小さいカバンには衣装を圧縮袋で小さくして詰め込んでいたに違いない。夕暮れの祠に祈る。満月の夜は囲炉裏端で眠る……。

様子を見に来たお蝶夫人。既に心配で見に来ている藤堂さんを発見。その視線の先には家庭菜園で草刈りをするひろみ。やる気なさそうに鎌を振るい、自分の腕を切る。それでも声ひとつ上げず、どうでもよさそうな様子。それより、どうやったら草刈りをしているとき腕の内側に刃先が当たるように鎌を振るえるのかが知りたい。草の刈り方を根本的に間違っているのではないか、ひろみ。

一方こちらも廃人状態の緑川蘭。ひろみと同じく1ヵ月以上練習をさぼっているらしい。無断欠席者は理由の如何を問わずユースから除名されるルールがあるそうで、委員会では竜崎理事のゴリ押しにも屈せず二人を外せという声が上がっていた。「岡くんと緑川くんが復帰するという保証がどこにあるんですか」 落ち込んでいる間に随分とやばい立場になっているようだ。

自分の置かれた状況も知らぬまま今日も水汲みに出かけるひろみは、桂に小川で水を飲めと命令される。手で掬わず、直接川面に口を付けて飲めという指導だ。新手のいじめかと思いきや、これが意外と味覚中枢を刺激したのか、久しぶりにひろみが口をきいた。「おいしい」 これをきっかけに、突然周囲の鳥の声などが耳に入ってくるようになったひろみ。それまで完全に閉じこもっていたらしい。これで回復かと言えばそうは問屋が卸さない。荒れ果てたコートを見た途端にコーチを思い出し、動悸が速くなり、コートから目を逸らして走って逃げる始末。手桶がかなり揺れるが水のこぼれる様子はない。入ってないんじゃないか。

ひろみが寺に預けられてから2ヵ月後、藤堂がやってきて桂を詰問。なにやってるかわからん、これでほんとに立ち直るのか、と。すると桂は突然、長々と昔話を始める。

藤堂。あのとき俺は、逃げたんだ。……俺は仁の具合が悪いことを知っていた。なのに、自分が試したい技があるから、無理矢理試合をさせた。藤堂。俺も岡と同じだったんだ。自分を責め、その苦しみに耐えられず、逃げた

いかにも場末っぽいバーで、鮭とばを肴にウィスキーのロックを煽る無精髭の桂。足取りも重く寺に戻り、畳に寝転がったら仏に睨まれたので出家。そこへ宗方が登場。

コーチになって自分の代わりを探すが、案外ポンコツな身体なのであと3年もてばいいところだと言われた……と、久しぶりに会った桂に宗方得意の“いきなり宣告”。せっかく出家して落ち着いてきた桂はまた動揺。余命が短いんだよねと匂わす男に、途中から俺の探した選手を引き受けてくれと頼まれ、断れない桂。宗方と約束を交わす。

仁は死を見つめて生きている。一瞬も目を逸らさずに。その仁がすべてを賭けて探し出し、育て上げた選手を一体どんな人間になら引き受けられるのか。俺は悩み苦しみその答えを求め続けた。そして、ここでの生活がその答えを教えてくれた」 これが多分藤堂さんの質問に対する答えの一部らしい。

滝に打たれながら読経したのが効いたのか、宗方が見つけたという逸材、岡ひろみに会う決心がついた桂は、宗方家を訪れる。宗方は障子開けっ放しの寒い部屋で桂を迎え、雪見酒を振る舞う。ぺろっと2合を飲み干した桂のために、徳利を持ってお代わりを取りに行こうと立ち上がった宗方だが、すぐに倒れてしまう。身体が悪いくせに寒いところに薄着でいつまでも座っているからじゃないのか。苦しい息の下で桂に念押しをする宗方。

頼んだぞ。これは奇跡への挑戦だ。いいか、俺の死がチャンスだ。岡はまさに慟哭の中に落ちるだろう。だが、どん底から這い上がった者は強い。俺の死を乗り越えさえすれば、岡は、不可能と思われるような桁違いの成長を遂げることができる。岡に、そういう受け取り方をさせてやってくれ

すっかり涙目の桂。名前は大悟だが、まだまだどうにも悟り切れない。どこから持ち出してきたのか、自分の名が入ったラケットを取り出す宗方は、「時が来たら、お前の手から、渡してやってくれ」と桂に託す。使命を背負い込んだ桂が「わかった」と頷く部屋からは、さっきの徳利がひとつ、どこかへ行ってしまった。

昔話が始まったときは土間に立っていた藤堂さんは、桂のペースに乗せられて聞き入っているうちに、いつの間にか部屋に上がって正座していた。

自分の死を利用してまで岡を飛躍させようと考えていた宗方コーチに思いを馳せる藤堂さん。まだ思い出を話し足りない桂は、岡を初めて見たときの印象を語る。「岡なら奇跡を起こせる」 どこを見てそう思ったのかは説明しないまま、「そのときが来たら、お前もその手助けをしてほしい」と畳み込む。完全に主導権を握られた藤堂さんは、しばし黙考し、わかりましたと答える。してやったりの桂大悟。調子に乗ってもうひとつ願いごとを。しかも「お前たちに頼みたいことが」と。“たち”ってなんだ。コート整備か?

祠のある山頂で札に「色即是空」と書き、能書きを語る桂。「色、即ち是、空なり」 まずは漢文を読み下して軽くジャブ。「坂道は、下から見れば上り坂だ。だが、上から見れば、下り坂だ。物事にはいろいろな見方がある。なぜ逃げる」 色即是空の説明をしていると見せかけて、岡ひろみにずばりと斬り込んできた。「お前は苦しむふりをして、本質から逃げようとしている。いいか、岡、いくら逃げても追ってくるぞ。逃げるから追ってくるんだ」 わかんないんですけど、という顔のひろみ。今日もまた夕暮れの祠に向かって読経。何が祀ってあるのか。

桂の読経を横で聞きながら、「どうすればいい、どうすれば忘れられる」と、雑念で一杯のひろみ。

沈む夕日を見ながら桂の説教が続く。「太陽は沈み、月は昇る。そして月は沈み、再び太陽は昇る。岡、足下を見てみろ。その花は生きようとしている。短い命とは知らずに、未来だけを見つめている。岡。お前はどうする」 さっきから聞くばかりだったひろみがここで応戦。「だったら、だったらどうすればいいんですか」 いや、それを聞かれているんだ、ひろみ。「どうすれば……どうすればこの痛みはなくなるんですか。テニスに出合ったときから、コーチはいつも一緒にいた。いつだって一緒だった。これからも、ずっとずっと一緒だと思ってた。なのにコーチはもういないんです。どんなに会いたくももう会えないんです。あたしはどうやって生きていいかわからない。もうわからないんです」 うなだれるひろみの左手を取る桂は、先日草刈りで切った怪我の跡を見せる。かさぶたができた切り傷。「お前の身体は、生きようとしている。心だけ置いていくな」 わかったようなわからないような表情のひろみ。

寺に帰らず、そのまま祠のそばの岩の上で座禅を組み、暗闇に身を置くひろみ。「このままじゃいけない。わかってる。でも……」と悩んでいたと思ったら、朝。座禅を解いて横たわり、ぐっすり寝たようだ。ご来光とともに、桂の「お前の身体は生きようとしている」という声が響く。朝の光に包まれた雄大な景色を眺めながら宗方コーチの言葉を思い出すひろみ。

テニスをしたとき俺は悲しみ苦しんだ。それがあったからこそお前に出逢えた。俺は、この世に耐えられないほどの悲しみや苦しみはないと信じている

同じ頃、仏間に座る桂は「仁、力を貸してくれ」とはっきり声に出して人頼み。

祠から寺に戻る途中、きれいに整備されたコートに気づくひろみ。コートを見てもフラッシュバックは起きない。落ちている真新しいボールを拾い上げ、ここしばらくの生活を振り返る。「わたしは今までなにをしてたんだろう。ただ泣いて。辛くて。だから逃げようとして……」と考えていると、突然現れて声をかける桂。「宗方仁を忘れるな!

そして妙に芝居がかったポーズでラケットをひろみの前にかざす。「時が来たら」と宗方から預かったラケット。今か、今がその時か。ラケットを左手で受け取るひろみ。ラケットに刻まれた名前に気づく。ここぞとばかり桂の説教が炸裂。

なにもしなくても時は過ぎていく。あれほどの男と関わり、あれほどの思いを味わっても、これからの思いひとつですべてはただの軽い思い出になってしまう。そんなことはこの俺が許さん

突然強い口調になる桂だが、この俺って、どの俺なのか、ひろみには多分わかっていない。しかしかまわず続ける桂。

仁の人生から逃げるな。仁の教えを無にするな。宗方仁は、お前の心にずっと、生き続ける。傷跡は残り続ける。だがそのすべてを背負ってコートを走れ。そのボールはただのモノに過ぎない。しかし、ひとたびプレイヤーが打てば魂が籠もる。打つか? あのサービスラインに立って……打つか?

話の流れ上、打たなきゃいけないような雰囲気になり、険しい表情でなんとなくサービスラインに建つ。「岡、打て」とコーチの声が聞こえたような気がして、サービスを放つ岡。打った。入った。ひろみはなにかをやり遂げたかのような、すがすがしい表情を見せる。

どこまで転がっていったのか知らないが、勢いを失って止まったボールを、軍手をはめた藤堂さんが拾い上げる。どこに隠れていたのか、隠れるところもない空き地から、続々と姿を見せる千葉っち、尾崎さん、お蝶夫人、音羽さん、牧。だから音羽さんはいつからメンバーに。そして全員が顔まで泥だらけのなか、軍手をはめたお蝶夫人だけが顔も服もきれいなままだ。作業監督待遇か、竜崎麗香。

言わずもがなだが、コートは西高OB軍団+牧が使えるようにしたのだった。あいつらがお前のために整備した、と自慢気に話す桂は、自分が裏で手を回した事実は語らない。仲間に支えられていたことに気づき、どうやら精神的に復活した模様の岡ひろみ。

その頃、西高軍団はもちろん誰からもフォローされてこなかった加賀のお蘭も、独自のメソッドで立ち直ったらしく、兄の墓参りを敢行。白い百合を手向け、墓石に「もう二度と泣かない」と約束する緑川蘭子。「わたしとあなたをつなぐものはテニスだけだった。だから帰るわ、コートへ」と復帰宣言を済ませ、とりあえずは家に帰ろうと墓前を離れたところで岡ひろみと鉢合わせ。「やっとここに来ることができました」と語るひろみを、「仁も喜んでるわ」と笑顔で迎える蘭子は、墓に手を合わせるひろみの後ろで祈りっぷりを監視。ひろみは背後を気にすることなく、これまでの凹み続けた日々をコーチに詫び、今後の抱負を述べる。

日時も場所も変わって、お蝶夫人を追う尾崎さん。お蝶夫人がジャパンユースカップを辞退するらしく、それを聞いた尾崎さんはびっくりして本人に真意を質そうというのだ。アメリカへ行って、どうしてもやらなければならないことがあるからと答えるお蝶夫人は、突然「尾崎さん、あの海が支えでした」と告げる。あの海とは、ひろみと対戦して敗れたあと、気持ちの整理を付けるために尾崎さんに連れて行ってもらった海。ナンバー1にはなれないことを受け入れ、なにかほかの道に活路を見出しているお蝶夫人の気持ちを察したのか、支えだったと言われてただただ嬉しいのか、言葉も返さず黙して満足気な尾崎さん。

ジャパンユースカップ出場権を争うため、フロアに集められたユースの選手一同。ジャパンユースカップは日本で開かれる初めての大きな国際大会。日本の出場枠男女各1名を競って、2ヵ月後にトーナメントを行なうそうだ。その場で、太田コーチから特別コーチに就任する桂が紹介される。日本庭球界も人材不足なのか、宗方といい桂といい、それまで表舞台にいなかった人ばかりをコーチにしているのが気になる。

ジャパンユースカップ出場はプロへの第一歩となるが、しばらく練習をさぼっていた岡ひろみと緑川蘭子は、代表に残らない限りユースを除名されるので、勝つしか道はないと言う。そんなこと今初めて聞きました、という表情のひろみと蘭子。俺は知ってたんだよね、という顔で振り向く藤堂さんには秘策があるらしい。

桂コーチと太田コーチに歩み寄り、岡くんのトレーナーをさせてくれ、自分の試合も絶対勝ってみせるから、と熱弁を振るう藤堂さん。またしても蘭子にはパートナー不在だ。許可を与える桂。困ってしまう太田。

両手に持った荷物をその場に落とした尾崎さんが「どういうことだよ、藤堂。お前舐めてんのか。岡さんやお蘭だけじゃない。俺たちみんな今が勝負なんだよ。この先ホントにテニスでやってけるかどうか、今にかかってんだ。わかってんのか、お前! それともお前、片手間にやっても俺に勝てるってことか」と食ってかかる。もうやるって決めたんだ、と意固地な藤堂さんに、俺は認めないからなっと捨て台詞を残し、怒り肩で立ち去る尾崎さん。あのー、お怒りのところなんなんですが、荷物、忘れてます

練習開始。ひろみは藤堂さんに、自分のことなら大丈夫と言いかけるが、「キミは自分の立場を全然わかってない。はっきり言う。キミの選手生命がかかっている。2ヵ月のブランクを甘く見ちゃだめだ」と叱責され、主導権を握られる。藤堂さんはひろみに、エースを取れるバックハンドが必要だからダブルバックハンドを身に着けろと指導。

一方、室内コートでひとりサービスの練習をする緑川蘭子ダンロップユーザー。そこに現れた桂コーチ。こちらに付くことに決めたらしい。さすがは仁の妹だと誉め上げたあと、お前には決定的に欠けているものがあると落とす。テニスを続ける理由を質す桂に、「今のあたしにはテニスしかない。強くなりたい、誰よりも」と答える蘭子だが、桂は「今のままのお前じゃあ岡に勝てない」と一蹴。「この一球は絶対無二の一球なり。俺のサーブを受けてみろっ」とどえらいサーブを繰り出す桂。緑川のラケットがはじき飛ばされる。驚く蘭子。

無の気持ちにならなければこのようなサーブは打てない。だが緑川。お前なら、打てる」 どっちですか、コーチ。

トレーナーとして厳しい指導に集中する藤堂さん。藤堂の行く末を心配して気が散るひろみは、レシーブをしては怒られ、ジョギングをしては置いていかれ、ゴム運動をしてはまた怒られ、足が痙攣すれば、筋力不足だ、練習に集中が足りないからだと怒られ、へろへろ。

足を引きずって帰る途中で、ひろみは桂が付きっきりで特訓する緑川の様子を見て驚く。同じ2ヵ月のブランクだったが、ひろみの目から見ても蘭子のほうが回復度合が上らしい。

練習試合で高木選手とプレイするひろみは、バックハンドが決まらずに敗北。渋い表情の藤堂トレーナー。「あれだけ言ったよね、集中しろって。何度も何度も練習した球だ。一体どうしたんだ。トーナメントまであと一週間しかないんだ。はいはいって、ほんとにキミはわかってんのかっ!」 キレる藤堂さん。ここで臨時ニュース。福岡県大牟田市で起きた殺人事件の捜査進展の様子がテロップで視聴者に報告される。その間になんとか感情を抑えた藤堂さんは、1時間後の練習再開を宣言して去る。取り残されるひろみ。自分たちの練習をほったらかしで事の成り行きを見ているほかのコートの選手たち。

この様子を見ていた太田は、藤堂さんに岡ひろみのトレーナーを任せたのはどうなのよ、という点について桂に意見。このままでは共倒れだ、もともと宗方はお前に岡の面倒を見て欲しかったんじゃないのかと諭す太田だが、桂は動ぜず、「俺はあいつらを信じたい。岡を、藤堂を、緑川を」と答える。いや、緑川はあんたが面倒見てるから一緒に並べたら変

所変わって多分アメリカ合衆国のどこか。グランド・スラムを達成したらしいマリア・ヤングがプール脇で記者会見を行なっている。そこに現れたお蝶夫人は、わりと日本人的な発音で親しみや