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2016.11.18

ウフーラ・ザ・ドッペルゲンガー

日本では来週の木金あたりでロードショーの終焉を迎えつつある『スター・トレック BEYOND』。世界最速で公開したアメリカ合衆国ではすでにこの11月1日からディスクが発売されている。

本国発売から遅れること約1週間で手元に届いたBlu-rayを眺めつつ、映画館で観てきたあれやこれやを改めて確認するBEYOND後夜祭が続いているわけだが、まずはこの場をお借りして「カークの誕生パーティに出てくるティーナックスの生命体の片割れの名は、ケルヴィン/Kelvinじゃなくてケヴィン/Kevin」だったことをお知らせするとともに、お詫びして訂正したい。
字幕翻訳をなさった松崎広幸さま、ポンコツな耳で聞いておきながら勝手に「ケルヴィンじゃね?」とか言い募って申し訳ございませんでした。ごめんなさい。

さて、己の愚かな間違いにも気づきつつ、映画館で見当を付けていたものの確信の持てなかった小ネタを、スローモーションや止め画で見られるのもご家庭視聴のよいところだ。

ロードショーが始まる前に巷で流れていた予告編映像やスチールと、実際に映画館で観た本編との違いで、気になるところがあった。

予告編やスチールには、惑星アルタミッド上の陽の当たる時間帯に、大勢のクルーと一緒に捕まっているウフーラとスールーの姿が確認できる。パンフレットではP.28の「ウフーラとスールー」という記事の上に使われた写真のシーンだ(なお、Blu-ray特典映像の「カットされたシーン」には収録されていなかった)。


(Star Trek Beyond | Trailer #1 | パラマウント ピクチャーズ ジャパン)


1分05秒頃の映像ではちゃんと台詞のあるシーンだったようだが、本編では使われていない。


20161114a

なんか言ってる様子


なぜなら、スールーは有象無象のクルーと一緒に宇宙空間で捕まって地表に連れてこられているが、ウフーラはクラール専用艇に乗りVIP待遇で惑星アルタミッドに降り立っており、ひとりだけ地下へ直接ご案内されているからだ。

つまり捕まったとき、我々の知るかぎりウフーラは地表に立って陽光を浴びていない。

だが、予告編1:04頃に大勢のクルーが地上を歩かされているシーンでは、右手遠方をウフーラとスールーが並んで歩いている。

20161114b

の位置にウフーラとスールーがいる


冒頭に気になるところがあったと申し上げたのは、ここだ。

同じようなシーンは本編にもある。もしかしてこのとき撮った映像を使っているのでは?

そう思って映画館で見当をつけていたシーンをBlu-rayで確かめた。
34:54頃の様子がこちら。

20161114c

当然のようにスールーと並んで歩くウフーラ


どうやらケルヴィンタイムラインには、別のタイムラインからやってきたスポックプライムとは異なるメソッドを用いて同じタイムラインに存在するウフーラがいるようだ。

きっと前作STIDから3年足らずの調査飛行の間に起きた転送事故のようななんらかの事象により、音楽を愛で小鳥のような声で歌うウフーラと、格闘に長け装甲服をまとう異星人を素手でばったばったとなぎ倒すウフーラとに分かれているのだろう。

次回のリブート第4作はカークパパの登場するタイムトラベルものと言われているがそれはフェイクで、星雲を抜けて“フロンティア”へ繰り出した途端、〈フランクリン〉号に転送収容されないまま惑星アルタミッドに取り残されていたいずれかのウフーラと激突。人間性とは何かを、分裂ウフーラとのすったもんだによって広く啓蒙する骨太のSFドラマ『二人のウフーラ/The Enemy Within』になるに違いない。


ちなみに、前後にいるのはブリッジクルーや、転送で救出されU.S.S.フランクリンに収容された方々。

 ・ウフーラからふたり後ろの青シャツ:額に青いワッペンを貼っている風の異星人男性。捕虜として活躍。救出時最初の転送収容者のひとり
 ・ウフーラの前を歩く青シャツ:金髪ショートの地球人っぽい女性。ブリッジクルー。救出時最後の転送収容者のひとり
 ・いちばん手前の金シャツ:黒髪でインド人っぽい女性。ブリッジクルー。救出時最後の転送収容者のひとり

動いている映像のほうがわかりやすいので、Blu-ray、DVDをお持ちの方はお試しを。

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