« 『矢島正明 声の仕事』が分厚い | トップページ | 2015年のMotoGPカレンダー »

2015.02.19

実写版宇宙大作戦第4シーズン(のようなもの)

流行りのクラウドファンディングサイトKICKSTARTERで4作目以降の資金を集めていた『Star Trek Continues』が、目標10万USドルに対しダブルスコアを集めて調達に成功した。おめでとう、制作者の人たち!

 ・Star Trek Continues 2015 "Kirkstarter 2.0"

CREWMAN 1st CLASS”として出資したときはまだまるで目標に到達していなかったのに、しばらく見ない間にすっかり立派になって……。

ちなみにCREWMAN 1st CLASSは、TNG第4シーズン「The Drumhead 疑惑」に登場したロミュランを祖父に持つ医療技師、いつも顔に縦線の入った渋い表情の写真ばかりが紹介画像に使われるサイモン・ターセスさんが自ら申し述べた階級で、士官学校には行っていないいわゆる下士官クラスだ。おめでとう、再注目されたターセスさん!

たいていのクラウドファンディングではご存知の方はご存知のとおり、ご存知でない方はご存知でないとおり、目標金額を上回ってさらにお金が集まると、「なんかたくさん集まりそうなので、こんなこともしたいです!」とか「もっと集まってこれだけになったら、あんなこともします!」という上位目標が設定されることが多々ある。

Star Trek Continues』では、このストレッチゴールと呼ばれる上位目標もいくつかクリアされ、15万USドル達成により立派な機関室が、19万USドル達成により赤シャツたちの死に場所となる惑星表面が、それぞれ新たなセットとして組まれることになったそうだ。おめでとう、どっちも同じ色のシャツなのに生き死にの方向性が違う人たち!

既に3本あるエピソードをご覧になったことのある方ならおわかりと思うが、カークを演じる役者さんの“ウィリアム・シャトナーっぽい動き”は絶品だ。シャトナーが憑依しているのではないかと思えるほどのシャトナーっぷりで、そのせいかそのおかげか、ほかのクルーも含めてみなさん決してそっくりさんではないにもかかわらず、視聴し始めてものの数分で違和感がなくなって、TOS第4シーズンとして楽しむことができる。

カーク、スポック、マッコイのトリオ・ザ・漫才を演じるのは全員がアメリカ合衆国ベテラン吹き替え声優のみなさん。

アニメ『Fullmetal Alchemist 鋼の錬金術師』シリーズで言えば、カーク船長のヴィック・ミニョーナ VIC MIGNOGNA 氏は主役のひとりエドワード・エルリックを、東洋っぽいスポック副長のトッド・ハーバーコーン TODD HABERKORN 氏は、やはり東洋っぽい細目の王子リン・ヤオを、第3話からドクター・マッコイを演じるチャック・フーバー CHUCK HUBER 氏は、功を焦り横着してキメラを合成するあたりカークの息子デイヴィッドに通じるものがあるショウ・タッカーを、それぞれアテていらっしゃる面々。

なお、第1、2話でマッコイを演じるラリー・ネメセック Larry Nemecek 氏は、実写版スタートレック(TOS)本放映当時から資料本を次々と出版していたスタトレ生き字引系の人物。この方の書籍に記されていたアニメ版スタートレック(TAS)のエピソードリストの宇宙暦が誤っていたために、その後それを引いてきたと思しき記述やさらにそれを孫引き曾孫引きした書籍、ウェブサイト等がことごとく、かつ、すべからく同じ箇所を誤っており、本国パラマウントによる公式サイトの中の人でさえTASをまるで観ないまま無思慮に丸写ししていることがはっきりした――という事例からも、スタートレック方面への影響が怖ろしく大きい人物であることをおわかりいただけるだろう。

スコッティを演じるクリス・ドゥーハン CHRIS DOOHAN 氏は元祖モンゴメリー・スコットことジェームズ・ドゥーハンの息子さん。顔はそれほど似ていないように思うが、立ち居振る舞いがなるほどそっくりだ。J.J.版AOS(Alternate Original Series)にも転送室の機関部員として出演している。

スールーを演じる日系人グラント・イマハラ GRANT IMAHARA 氏は、オーストラリアのテレビ番組『MythBusters 怪しい伝説』のレギュラーとして途中参戦し、怪獣ゴーンを倒すためにカーク船長が惑星表面に転がっていた有りモノで急ごしらえした簡易短距離砲を再現(Gorn Cannon High Speed)しようなどという、フィクションを科学で考察する海外版柳田理科雄みたいな試みに四苦八苦していた人物のひとりだ。

ウフーラのキム・スティンガー KIM STINGER 氏はファンムービーのウフーラ役を総なめする勢いで、別のプロジェクトで制作されている『Star Trek: Phase II』でも同役を演じた(第4話~8話のみ)。

チェコフのワイアット・レンハート WYATT LENHART 氏のことはよくわからない。すまん、チェコフさん。

船のカウンセラーというTNGばりの職種に就いているエリス・マッケナー大尉(中尉かも)ことミッシェル・シュペヒト MICHELE SPECHT 氏のこともよくわからない。よくわからないがジャニス・ランドの立ち位置にいるような雰囲気を醸しつつ、着ている服は科学部門。第1話から大活躍なさっていた。

未見の方はぜひご覧いただきたい。今あなたの眼の前にある箱や板ですぐに観られます。タダで観られます。さあ観よう今観ようすぐ観よう。

第1話『PILGRIM OF ETERNITY
 新シリーズ第1話、帰ってきたアポロが、カークと〈エンタープライズ号〉に混乱をもたらす。

第2話『LOLANI
 遭難したテラライト船の生存者は、カークとその乗組員たちに彼女の支配権を巡って道徳的ジレンマを引き起こす。

第3話『FAIREST OF THEM ALL
 鏡像世界において、スポックはテラン帝国の未来を決する選択に直面している。

さてさて、これらに続く新作はおめぇらみんなが大好きなTOS第2シーズン「A Piece of the Action 宇宙犯罪シンジケート」を下敷きにしたエピになるってハナシよ、だなスポック? (そうで……おうだ!)

|

« 『矢島正明 声の仕事』が分厚い | トップページ | 2015年のMotoGPカレンダー »

コメント

この作品をTVで放映してくれないかと常々思っています。
そう吹き替えか字幕で!
新しいSTのTVシリーズとして!!

スポックさんはすこし線が細いかな~と思いますが、
カークさんはご本人と見間違えるくらい、
いや観終わった後はご本人としか見えないくらい素晴らしいですよね。
もっと注目をあびて、吹き替えか字幕でTV放映を!!

投稿: 通りすがりのおばさん | 2015.02.19 23:14

>通りすがりのおばさんさん

>>新しいSTのTVシリーズとして!!

噂になっては噂のまま消えていく本家のTVシリーズが頼りないのでこういうのが増えてるんでしょうけど、アイデアと熱意とで本家を凌ぐ勢いですから、もうそのまま本家がこっちに予算つけて格上げしちゃえばいいのに、と思いますね(笑)。

>>スポックさんはすこし線が細いかな~と思いますが、
>>カークさんはご本人と見間違えるくらい、
>>いや観終わった後はご本人としか見えないくらい素晴らしいですよね。

これまでに作られてきたほかのファンムービーでも、カークさんはいい感じに似ていたように感じますが(特徴があって似せやすいのか)、とりわけこのシリーズでは似っぷりが秀で過ぎていて恐いくらいですなあ(笑)。

>>もっと注目をあびて、吹き替えか字幕でTV放映を!!

字幕版には『Star Trek Continues』のお墨付きを得たものがすでに存在しますので、放送実現となると障害は多々ありましょうが、広く世に問うていただく機会があるといいですね!

投稿: ANCHOR | 2015.02.20 13:46

しまった。
POIにかまけている間にこんなものが作られていたのですね!!
なんと言うことだ…
早速次の休みに視聴致します!!!!
ところで、TASの続編とも言うべきキャプテン・ライアンの冒険譚は今いずこ?w

投稿: TamilAsano | 2015.02.21 04:43

anchorさん、こんばんは
X^2さんに教えていただいてやってきました

まだ全て見切れていませんが、とにかく完成度がすごいですね!
HD版のTOSを見てないワタシにとっては解像度の高さだけでも新鮮すぎるくらいです

ところで、
> 字幕版には『Star Trek Continues』のお墨付きを得たものがすでに存在

この辺りをkwskお願いできませんでしょうか
英語台詞が聞き取りづらくてアレだったのですが、CCを発見して大体はわかりました。
さらに邦訳字幕があれば言うことナシです

よろしくお願いします。

投稿: yonetch | 2015.02.25 21:51

>TamilAsanoさん

>>早速次の休みに視聴致します!!!!

いかがでしたでしょうか!!
まさかまだ「次の休み」が来ていないなんてことは!!??(笑)

>>ところで、TASの続編とも言うべきキャプテン・ライアンの冒険譚は今いずこ?w

すみません、とっくに放映は終わってますがまだ視聴しないままレグザの外付HDDの中で眠っています!
次の休みに視聴いたします!!!!(笑)

投稿: ANCHOR | 2015.03.04 17:01

>yonetchさん、ようこそいらっしゃいませ!

ウェブサイトを拝見させていただいたことがございます。おいでくださり光栄ですm(__)m。

>>HD版のTOSを見てないワタシにとっては解像度の高さだけでも新鮮すぎるくらいです

解像度、高いですよね!
アマチュアがこのクオリティで撮影できる21世紀、恐るべしです。

さてご照会いたただいている字幕版の在処について。
権利的に微妙なところをパラマウントさん(商品化などで儲けないことを前提にファンムービー制作を黙認する立場らしい本国パラマウントさんではなく、日本法人のほう)にどう捉えられるのかを、字幕を作ってらっしゃるご当人たちが心配されていることもありまして、ここに明確に記載できないのが歯がゆいとともに申し訳ないのですが、こちら↓のコミュニティでそのあたりを首謀者(謀って言うな(笑))の方からお聞きいただけることと思います。

■アマチュア・スタートレック
 http://mixi.jp/view_community.pl?id=3250523

mixiアカウントでログインしなくても書いてあることは読めます。
参加されて直接お尋ねになるにはログインが必要になります。
お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。

投稿: ANCHOR | 2015.03.04 17:01

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/6416/61158550

この記事へのトラックバック一覧です: 実写版宇宙大作戦第4シーズン(のようなもの):

« 『矢島正明 声の仕事』が分厚い | トップページ | 2015年のMotoGPカレンダー »