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2008.01.13

昭和の鬼太郎

……と口の端をゆがめて笑うタイプの鬼太郎がアニメ化された。

鬼太郎に関する比較的古い記憶のなかの風景は、『たのしい幼稚園』付録の、ボール紙の部品をもぎり取って組み立てる鬼太郎の家を作っているとき、うっかりもぎってはいけないところをもぎってしまい、なにやら虫の居所が悪かった様子の母親から
これではもう作ることは未来永劫できないのです
と宣告を受け、取り返しの付かないことをしでかした愚かな自分に打ちひしがれている冬の午後だ。

もうひとつ明確な記憶は、白黒版(いわゆる第1期)の「アンコールワットの亡霊」を観て、いつかアンコール・ワットへ行きたいものだと願ったことである。霧のなかから落武者がわんさか現われるような話を観て、なにゆえアンコール・ワットへ行きたいと願ったのか――自分のこととはいえ知らない。
が、2006年に初めてそこを訪れたとき、
落武者、おらんがな
と思ったくらい、根深く印象に残った作品だった。

ギ ョ ッ

そうこうしているうちにもう少し時が経ち、母親が
鬼太郎はゲゲゲではありません。墓場なのです
と言い始めた。そして年端もいかない自分の息子に、『墓場鬼太郎』という作品を紹介したのである。今にして思えば、何気なくマニアックな人だ。

ギ ョ ッ

紹介するだけして買ってはくれなかったので、小遣いをはたいて買った。

ハ ッ

そこには、ずいぶんやさぐれた様子の鬼太郎さんが、ケケケケケと笑いながら育ての親が地獄に落ちるのをただ見ていたり、育ての親の実の母の気をふれさせたり、冷蔵庫に閉じ込められた自分の身体を助けるべく駆けずり回っていた右手首が五寸釘で板に打ち付けられ、どこから声を出すのかクククククと喘いでみたり、そんな目に遭わしてくれたふたりの男を容赦なく地獄方面へご案内してみたり、あれこれや自由奔放に活動しておられる様子が描かれていた。妖怪退治より、人間退治のほうが向いているのではないか。

は は は は は は

そのやさぐれ鬼太郎が、の深夜アニメ化

第1話では鬼太郎が生まれ、鬼太郎の父親が目玉親父に姿を変える。

ば お ー ん

この話自体は、水木サン自身も何度も描いているようで、よく似ているがどこか違う作品を複数読んだ。

たとえば昨夜放映されたアニメでは墓場から生まれた鬼太郎は両目をぱっちりと見開いているが、わたいが漫画で最初に読んだ同作品では生まれたときから右目しかなかった。

ビ ビ ビ ビ ビ ビ ン

水木サンが何度目かに同じテーマで描いたときは、両目を持って生まれた鬼太郎が左目を失う話になっていた。アニメ版ではどうやらそれを採ったようだ。まあ、今の時代はそうしておいたほうが無難なのだろう(話のなかの時代設定は、高度成長期にさしかかった昭和のようだ)。

く ら く ら く ら ー っ

白黒版と最初のカラー版(いわゆる第2期)で声をアテていた野沢雅子さんが2006年NHK特番に続き鬼太郎に復帰。絶妙なやさぐれ度合で演じておられる。さすがだ。ねずみ男にも大塚周夫さんが戻ってこられるようで、声からも昭和の匂いが漂って来る。

第1話の主人公、血液銀行勤務の水木サンの声は、DS9のガラックでおなじみの大川透さんだった(と、ここがSTカテゴリにも入れたわけ)

ぐ あ ー っ

モノノ怪』ほどの斬新さはないが、アニメーションとしてもずいぶん丁寧に作られているように見受けられる。妙に書き込まれた背景も、味わいは違うものの水木さん的と言えなくはない。

モ グ モ グ

毎週観るにあたり、当面の問題は、昨年半ばからイカレたHDDプレーヤーが、きちんと録画してくれるかどうかだ。頼むぞ、TOSHIBA。頼むぞ、XDシリーズ。

く わ ー っ

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コメント

ダーク鬼太郎みましたよ。
こんなにリアルな鬼太郎だと思わず観たので、ちょっとびっくり。
作画もオドロオオロしい感じで、子供の頃に読んだ怪奇小説・漫画を思い出しました。

投稿: イメカ | 2008.01.13 22:46

>イメカさん

>>ダーク鬼太郎みましたよ。

妖怪の暗黒面に落ちてましたね。
ぬらりひょんから目の敵にされるどころか、手を携えそうな雰囲気。

>>こんなにリアルな鬼太郎だと思わず観たので、ちょっとびっくり。

幽霊族とノンマルトがダブって見えたりもしました。

>>作画もオドロオオロしい感じで、子供の頃に読んだ怪奇小説・漫画を思い出しました。

全体に暗めの色使いで渋いですね。
ここ最近では珍しく何度か見返してしまいました。

投稿: ANCHOR | 2008.01.15 01:19

うあ、こわい〜。
HPで、いきなりドアップで這い出して来る図。違う所みて、トップに戻る度に這い出して来る。こわいよ〜。
でもみたいよ〜。
“これが大人の鬼太郎”って、行動がまったく大人じゃないのでは。(人間じゃないからいいのか)

>>「これではもう作ることは未来永劫できないのです」
>>「鬼太郎はゲゲゲではありません。墓場なのです」

お母様、年端のいかない息子に丁寧にお知らせなのです(惚々)。

投稿: セーラーメ〜 | 2008.01.16 01:10

>セーラーメ~さん

>>HPで、いきなりドアップで這い出して来る図。

深夜に墓場でアレをやられたら参りますなあ。

>>違う所みて、トップに戻る度に這い出して来る。こわいよ~。

裏でいちいち潜り直している姿を想像すると怖くありません。

>>でもみたいよ~。

今週は時間がずれて、17日(木)から18日(金)に変わった深夜1時から30分間。
テーマはどこかの学者がわざわざ復活させちゃった夜叉と、ハンガリーだかから出張ってきたドラキュラが、売れない漫画家を取り合う三角関係のお話です(多分)。
ねずみ男が初登場しますので(多分)、お見逃しなく!

>>“これが大人の鬼太郎”って、行動がまったく大人じゃないのでは。(人間じゃないからいいのか)

大人向けの、と言いたかったんでしょうかなあ。
そもそも、姿形も大人じゃないですし。
あの物語当時、たかだか6歳くらいの設定でございます。

>>お母様、年端のいかない息子に丁寧にお知らせなのです(惚々)。

田川水泡、藤子不二雄、赤塚不二夫に関する知らせも受けました。

投稿: ANCHOR | 2008.01.16 23:50

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