帰省してると年賀状作る材料もないし、しょうがない、初詣にでも行くか、と重い腰を上げて出かけてみた。
普段通らない道を通って思いつくまま進み、にぎやかそうな赤い幟を目指してたどり着いたところは、お寺だった。

寺かよ。
しかもちゃっかり雰囲気づくりをして賽銭まで受け付けている。調子のいい寺だ。
でも、なんとなく裏手まで巡回し、知らない方々のお墓までお参りしてしまった。まず自分とこの墓に参れ、わたい。
お墓に混じってなぜかお稲荷さんが祀られた社があったので、念のため参拝しておく。
数年ぶりの初詣が寺で終了では得心がいかないので、さらに先へ先へと歩いていくと、また寺が。

寺はもういい。
ふと見ると、街道から脇道へ逸れるようにこじゃれた鉄の階段が。
見晴台でもあるのかと安易に登ってみると、そこは落ち葉降り積もる山道で、まったく容赦のない登山道だった。
なんとかアルプス縦断ルートとか書いてある。先に言え。
引き返すのも癪なので、意を決して前進。
峠らしい峠もなく、期待した見晴台もなく、ただ険しいのみ。

小一時間歩いて、ようやく人間が歩くにふさわしい道に合流した。
道はとある神社の裏山に続いていたようで、ここにきてついに念願の神社に参拝。

御神酒までいただいてご機嫌さんだ。

おみくじは「吉」。
旅行: 日を改めた方がいい。
いえ、まだ決めてませんが、日どころか行き先も。
麓の住宅街に降りると、参拝客と登山客に対してなにやらお怒りの看板が掲げられていた。

みんな、マナーは守ろう。
看板の主、お怒りはわかるが、落ち着いて辞書を引こう。
せっかく山を越えてひと駅分歩いてきたので、最寄り駅から地下鉄で2駅移動したところにある、より著名な神社にも足を延ばしてみることに。
ここで本殿と、本殿裏のお稲荷さんにご挨拶して、ようやく溜飲を下げる。

ちなみに本殿前でおみくじを引くと200円、裏のお稲荷さんで引くと100円だ。なぜ差を付ける。
参道や境内には屋台がひしめき合っていて、お祭り状態。人気のある食べ物屋台には、食欲に取り憑かれた方々がずらりと並んでいる。つい数日前につかれた百八つの鐘の音は、人間には煩悩が百八つありますよということを淡々と申し述べているだけで、別に清めてくれたわけではないらしい。
しかし、空にはうっすらと虹がかかっているのであった(逆接を使い、無理からにまとめてみた例)。

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