インドでも人気の猫とネズミ
コーチンKochinのとある通りに面した保育所と思しき建物は、自らを堂々と『Tom & Jerry』と名乗っていた。

『Jom & Torry』と読めなくもないが、衝撃的なのは新解釈を大胆に取り入れたイメージ画だ。

なぜトムは顔だけ蒼白なのか。走っているらしいジェリーはともかく、その場で軽くジャンプしているトムの意図は。そもそもトムの右手は異様に長くないか。ジェリーは運動会の旗のようなものを抱えるように持って、やや困ったような表情なのか。ジェリーのしっぽはそれでいいのか。というか右足がアザラシ化しているのではないか。なぜ左足の一部だけ塗られているのか。
謎だ。
しかし、敷地内に描かれている彼らは、もう少しオリジナルの姿が尊重されていた。

なぜテーマが『子連れ狼』……。
このような『トムとジェリー』環境にあるインドをかつて植民地にしていたイギリスは2006年8月22日、『トムとジェリー』の特定の場面に噛み付いていた。
先進国を自認する国でしばしば見られる文化的なクレームである。
このアニメでは、主役の一方である猫のトムがメス猫に好印象を与えようとして手巻きタバコを吸うシーンや、トムのテニス相手が大きな葉巻をふかすシーンが登場する。
確かにある。
確かにあるし、これらの場面ではタバコが「美化・容認」されているのは間違いない。
が、この作品を観る少年少女たちが、仮に「タバコかっくいー!」と思ったとしても、即喫煙者になるだろうか。喫煙するような年齢に達する頃には、『トムとジェリー』以外の情報を元に、吸うか吸わないかを決めるのではないだろうか。大英帝国と呼ばれた連中にしては余裕のない対応だ。
イギリスの情報通信庁は作品の評価とは別に、「喫煙描写は見過ごせない」としているそうだ。以前から指摘され、地上波から再放送が消えるきっかけともなった黒人のお手伝いさんとともに、放映されない『トム&ジェリー』がますます増えていきそうだ。
今の文化と基準で昔の作品を制限したり改変したりするほど、安易なことはないぞ。
そんな自らを取り巻く厳しい状況を、トムはどう思うのだろう。

どこ吹く風だった……。
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コメント
クレームで消滅してしまったので印象に残ってる事といえばカルピスの、ストローで飲む黒人(?)のロゴ、あれって聞いた話しでは黒人うんぬんとのクレームのせいらしいですね。日記にあるタバコのシーンの件といい、なんというか過敏すぎる気もしますね。
投稿: 佐藤@スケーター | 2007.01.06 20:07
>佐藤@スケーター
>>カルピスの、ストローで飲む黒人(?)のロゴ、あれって聞いた話しでは黒人うんぬんとのクレームのせいらしいですね。
ああ、これもまた懐かしい。にこやかに上を見ながらカルピスをすすってご満悦な様子のキャラクターでしたね。
タカラが使っていたダッコちゃん風のキャラクターロゴも使われなくなりましたし、サイボーグ008ことピュンマの顔は、アニメ『新サイボーグ009』の北米での放映がスムースにいくよう、オリジナルとは違う顔にされてしまいました。
>>日記にあるタバコのシーンの件といい、なんというか過敏すぎる気もしますね。
ロゼット石鹸だったかの黒子さん白子さんは、黒人と白人じゃなくて創業者の奥さんと姪っ子がモデルだったにも関わらず、使われなくなくなりましたなあ。黒子さん白子さんがダメなら、そのうち「オセロの黒いほう/白いほう」もダメだと言われそう……。
投稿: ANCHOR | 2007.01.06 22:51