まんが宇宙大作戦が始まるぞぉ
2006年3月20日から4月3日まで月曜から金曜の11日間、朝夕1日2回、それぞれ2本のまんが宇宙大作戦(MUD←普及を目論んでいる)が公共の電波に乗る!
準備はいいか、皆の衆!
なに、まるで準備なんかしていないと? それはいかんな。もう放映は明日に迫っておるのだ。さあ、今から一緒に予習をしようじゃないか。そんなイヤそうな顔しないで、すぐ終わるから。
せめて実写版ST関連エピソードだけでも押さえておこう。
■「謎の新兵器パラライズ光線」
TOS第2シーズン「The Trouble with Tribbles 新種クワド(ロ)トリティケール」の続編。シラノ・ジョーンズがカークやクリンゴンのKoloth(宇宙大作戦ではコロス、まんが宇宙大作戦ではコーロス)を巻き込むトリブル(まんが宇宙大作戦ではピンキー)騒動だ。転送室に現われたシラノとピンキーを見たときのカークの指示が、原語と吹替ではまるで正反対なのが聞きどころだぞ! シラノの声はTOSでシラノを演じた役者がアテている。Kolothの部下のKorax(宇宙大作戦ではコラックス、まんが宇宙大作戦では名無し)は、K-7ステーションの酒場でチャーリーにからんで、けんか騒ぎを起こした張本人だ。
■「惑星ファイロスの巨人」
TASには出してもらえなかったチェコフことウォルター・ケーニッグが脚本を書いた、ややTOS第3シーズン「Spock's Brain 盗まれたスポックの頭脳」チックなエピソード。
吹替では名前を呼ばれることなく流されているが、加藤を刺して瀕死の状態にさせる歩く植物の名は「Retlaw plant」、つまり脚本家のファーストネーム「Walter」の逆読みだ。レギュラーの座を奪われたウォルター・ケーニッグのささやかな抵抗が見て取れるぞ。
■「惑星を喰う黒雲」
TOS第2シーズン「The Ultimate Computer 恐怖のコンピューター M-5」で痛い目にあったU.S.S.〈レキシントン〉の艦長、ロバート・ウエズリー准将が地方惑星の知事に転職して登場。このエピソードについてざっくり言えば第1シーズン「The Devil in the Dark 地底怪獣ホルタ」、第2シーズン「The Doomsday Machine 宇宙の巨大怪獣」、第3シーズン「Immunity Syndrome 単細胞物体との衝突」、そしてVGR第1シーズン「The Cloud 星雲生命体を救え」を足して4で割ったような作品だ。え? ざっくり過ぎる? でも観ればわかるから。
実写に登場するカイル大尉が、立派な口髭を蓄えて登場。TMPでスコッティが口髭を蓄えて現れる原型がここにあると言えよう。
■「宇宙幽霊船の謎」
転送主任として台詞をしゃべるカイル大尉は、TOS第1シーズン「Tomorrow is Yesterday 宇宙暦元年7.21」をはじめ、全部で10話に登場している。実写で演じていたJohn Winston本人は、残念ながら声をアテていない。
異星のポッドシップの司令官の声をアテているのは、後のシスコ司令官こと玄田哲章。
■「変身!ベンドリア人の怪」
転送主任カイル大尉、三度登場。台詞はなし。
■「魔のスペーストライアングル」
台詞はないが、ロミュラン人、バルカン人はもちろん、テラライト人やアンドリア人、ゴーン、オリオンの女奴隷など、TOSで見た顔が現われる。クロッソス号のコール船長はTOS第1シーズン「Errand of Mercy クリンゴン帝国の侵略」のKorだが、声をアテているのはTOSの役者ではない。その後DS9第2シーズン「Blood Oath 血の誓い」、同第4シーズン「The Sword of Kahless カーレスの剣」、同第7シーズン「Once More Unto the Breach 今一度あの雄姿を」に登場。「
今一度あの雄姿を」のなかでケイレブ4の話を聞かせてくれと同乗の士官たちにねだられたコールは、「I commanded the First Division from the
ついでだが、この作品の“謎の時空間から敵味方が力を合わせて脱出”というプロットは、VGR第7シーズン「THE VOID 略奪空間の怪人達」で流用されている。
■「タイムトラベルの驚異」
TASで唯一『ENCYCLOPEDIA エンサイクロペディア(原語版/翻訳現行版)』に“正史”として採用された項目(実家のある町とペットの名)を含んでいるエピソード。スポックの子供時代を描いており、サレックの声はTOSの役者がアテている。アマンダは残念ながらオリジナルではなくメイジェル・バレットによる。
TOS第2シーズン「Journey to Babel 惑星オリオンの侵略」で“セレット=ティディ・ベア”と紹介されたスポックのペット、アイチャーも姿を見せる。そのアイチャーを屠る獰猛な砂漠の動物はゴジラの声で吠え、日本特撮の心意気を合衆国の子供たちに伝えた。
■「不思議の星のアリス」
TOS第1シーズン「Shore Leave おかしなおかしな遊園惑星」と同じ星を訪れる。星のおかしさがアップしているが、まんが宇宙大作戦そのものの“おかしさ”はそれを上回っているので、なんか星のほうが普通に見えるという気分を味わえる、おかしなおかしなエピソード。
■「宇宙海賊オリオン軍(団)」
パイロット版に女奴隷が登場することでTOSでは老舗宇宙人に入るオリオン人だが、実写版に姿を見せたのは女性だけで、男性がどんな姿をしているのかはわからなかった。第2シーズン「Journey to Babel 惑星オリオンの侵略」」に現われたオリオン人男性はアンドリア人に化けた姿で、結局正体は見せぬまま。謎に包まれていたオリオン人男性の姿が、本作でついにベールを脱ぐ。
■「侵入した愛の妙薬」
ハリー・マッドことハートコート・フェントン・マッドは、TOS第1シーズン「Mudd's Women 恐怖のビーナス」、同第2シーズン「I, Mudd 不思議の宇宙のアリス」に続いての出演。TOSの役者 Roger C. Carmel が引き続き声をアテてている。吹替は富田耕生(実写)、八奈見乗児(まんが)。恐い配偶者のステラは出てこないが、マッドのはったり師っぷりは健在。このエピソードから生まれた「科学の天才ミスター・スポック」というすばらしいキャッチフレーズを、わたいは広く世に知らしめたい。
■「逆流する時間」
カークやパイクの前、初代の〈エンタープライズ〉号船長とされるロバート・エイプリルが、奥さん連れで映像に初登場。最後には若返って指揮まで執ってくれる。クルーがお子ちゃまになっちゃってかわいいねーってのはTNG第6シーズン「Rascals 少年指揮官ジャン・ルック・ピカード」に通じるものがある。逆流していた時間が再び逆転すると、記憶も経験もそのままで元の姿に戻る不思議時空の物語だ。
見逃せない作品はまだまだあるぞ。
■「魔星メーガスの半獣人」
後半でカークらを裁く裁判長の声は、『謎の円盤UFO』でSHADOのストレイカー司令官を演じた故エド・ビショップがアテている。
■「過去から来た新兵器」
シリーズを通じて、船長(艦長、司令官)が姿を見せない、台詞を言わない、ほかの人の台詞にすら出てこないという、2006年3月現在唯一のエピソード。
■「宇宙のいたずら(魔)」
TNG以降市民権を得たST史上画期的な装置“ホログラムデッキ”が、実写に先駆けて“レクリエーションルーム”の名で登場。21世紀に入ってからスタッフが公式ファンクラブ会報のインタビュー記事にて、TASにホログラムデッキの原点があることを認める。
■「女だけの星」
女性ばかりの星で、男性が生命エネルギーを吸い取られるというコンセプトはVGR第3シーズン「Favorite Son 女たちの星」に使われた。
この稿に名前の出てこなかったエピソードはたまたま実写と直接リンクする事項がないだけで、それぞれに見どころはある。
さあ! これでキミの準備は万端だ。
録画の用意を忘れるな! ていうか、忘れないでお願い!
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コメント
キャプテン!質問でありますっ!
第3話、というか放送の3話目「One of Our Planets is Missing」の邦題についででありますっ。
「惑星を喰う黒雲」と「アメーバ星雲ネブラの恐怖」の2種類ありますが、この歴史についてご教示ください。
余力があれば、他のエピソードも2種類の邦題が付いていたものがあったと思います。
そちらも解説お願いいたします。お時間のある時でかまいません。
投稿: quark | 2006.03.21 03:47
我が家でも、しっかりMUD(←定着)の録画設定をしたであります。
朝の支度をしながらぼんやり見ていると、「紀元三千年・・・」と
例のナレーションが始まって、「お前らはホロエミッターより先の
時代で活躍しとるんかっ!?」とお決まりのツッコミを入れてしまい
ました。
その後も怪しい展開が連発。そのまま見てしまうと、朝から脳内が
怪しい電波に汚染されて、一日がどっぷりMUDになりそうな気がした
ので、ニュースに切り替えて事なきを得ました。
これから長い付き合いを・・・と思ったら二本ずつ放送だから11日間で
終わるのか。喜ぶべきか悲しむべきか。
エンタープライズ第四シーズン放送開始までのつなぎなんだろうなあ、これ。
カレーに福神漬け?ぜんざいに塩昆布?豆腐にかすがい?
投稿: モデラーQ | 2006.03.21 05:40
何回読んでもおもろい解説。
メンバーが出てるのにセリフ無しって多いですよね。とってつけたようなセリフがあったり、返事せんかぁ、というのがあったり。きっと予算の加減だろうけど。
放送してくれるだけでも嬉しいです。うわさとおり、DVDが今年出てくれればもっと嬉しい。
投稿: Joちゃん | 2006.03.21 10:59
こんにちは。
なぜかケーブルテレビの契約をしてしまいました。
最初の二ヶ月はなんかのチャンネルが只で見られるというので、最初は4月1日に工事を予定。(ケチ)
・・・そういえば、MUDの放送はいつだったっけ?と思い出して急がせ、20日、日本-韓国戦の真っ最中に工事。
>転送室に現われたシラノとピンキーを見たときのカークの指示が、原語と吹替ではまるで正反対なのが聞きどころだぞ!
まるっきり日本語で録画してしまった。orz
やっぱりDVDが出たら、買うか。
投稿: hider | 2006.03.21 15:09
>quarkさん
>>キャプテン!質問でありますっ!
よし、質問を許可するっ!
>>「惑星を喰う黒雲」と「アメーバ星雲ネブラの恐怖」の2種類ありますが、この歴史についてご教示ください。
うむ、よい質問だ。
>>余力があれば、他のエピソードも2種類の邦題が付いていたものがあったと思います。
うむうむ、そーか、よーし。
>>そちらも解説お願いいたします。お時間のある時でかまいません。
よろしい。近々まとめて回答を約束しよう。絶対だっ!
>モデラーQさん
>>我が家でも、しっかりMUD(←定着)の録画設定をしたであります。
おお! さすがです。
いや、さすがというのは「しっかり録画設定」という部分であり、もちろん「MUD(←慣れてきた)」の定着の部分でもあります。
>>「お前らはホロエミッターより先の
>>時代で活躍しとるんかっ!?」とお決まりのツッコミを入れてしまい
>>ました。
先祖返りしてしまったのかもしれないとか、VGRまでの実写は、ENTの時空冷戦のせいで狂った時空の物語だったのかもしれないとか、深読みさせてくれますなあ、『紀元3000年』。
>>そのまま見てしまうと、朝から脳内が
>>怪しい電波に汚染されて、一日がどっぷりMUDになりそうな気がした
>>ので、ニュースに切り替えて事なきを得ました。
汚染されると、MUDでピンチのときに流れる音楽が脳内をエンドレスで駆けめぐるようになり大変危険です(笑)。サントラが欲しいとさえ願うようになります(笑)。
>>これから長い付き合いを・・・と思ったら二本ずつ放送だから11日間で
>>終わるのか。喜ぶべきか悲しむべきか。
気力体力ともに充実しているあいだに一気に放映されたほうがよい、という考え方もあるかもしれません。
>>エンタープライズ第四シーズン放送開始までのつなぎなんだろうなあ、これ。
>>カレーに福神漬け?ぜんざいに塩昆布?豆腐にかすがい?
糠に釘?
つなぎのつもりだったのにエンタープライズ第4シーズンより人気が高くなってしまい、リピート放映が決定!……というくらいになってもらいたいものです(無理か)。
>Joちゃんさん
>>何回読んでもおもろい解説。
>>メンバーが出てるのにセリフ無しって多いですよね。とってつけたようなセリフがあったり、返事せんかぁ、というのがあったり。きっと予算の加減だろうけど。
多いですよね。顔だけ出して「一応いますけど」と存在証明だけしているエピソード。
フィルムの使い回しは仕方がないと思いますが、シーンが変わるたびにアレックスが席に座ってたり外してたりすることもあります(笑)。
>>放送してくれるだけでも嬉しいです。うわさとおり、DVDが今年出てくれればもっと嬉しい。
そうですね。まずは放送でファンをがっちりつかみ、続くDVDの販売実績でその人気を不動のものに! え? 売り抜け御免じゃないですよ、何をおっしゃいますやら、おほほ。
>hiderさん
先日はトラックバックが利かなくてすみませんでした。その後不具合は解消されているでしょうか。
>> ・・・そういえば、MUDの放送はいつだったっけ?と思い出して急がせ、20日、日本-韓国戦の真っ最中に工事。
おお! 無料視聴期間が縮まるのも厭わずMUDのために工事を!
hiderさんがクリンゴンならグレートホールに招かれ、大いなる名誉を与えられることでしょう!
>> まるっきり日本語で録画してしまった。orz
あう、すみません。もっと早くリリースしておけばよかったです。
>> やっぱりDVDが出たら、買うか。
そういう前向きな発想、大好きです。
投稿: ANCHOR | 2006.03.23 02:41
ここでいいのかな?
先日、スタートレック40周年キャンペーンの発表会が行われたそうなのですが、
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060516/param.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060516/param_07.jpg
投稿: 椎名マオ | 2006.05.18 01:54
>椎名まおさん
>>ここでいいのかな?
すみません、受け皿を準備できていなくて(^^;)。
>>先日、スタートレック40周年キャンペーンの発表会が行われたそうなのですが、
お知らせくださいましてありがとうございます!
2006年最高最大のトピックスです!
様子から見て、ひょっとしたらいただいたコメントの後半が切れてしまっているかもしれません。もしそうだったらすみません。
投稿: ANCHOR | 2006.05.18 20:11
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