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2005.02.26

落とし物を届けてみれば

帝都高速度交通営団という組織があった。
2004年4月1日からは東京メトロと名を変えて営業中だ。

平成12年(2000年)8月9日水曜日。半蔵門線渋谷駅から東急線に乗ろうとしたとき、相方が自動券売機の前で現金を拾った。

複数枚重ねた千円札だった

数えてみると3枚ある。3000円だ。

ちょうど夏休みでお子様たちの目もあることだし、教育的な見地から届け出ることにした。

自動改札の横にあるブースに座っていた地下鉄駅員ふたりに、札を扇形にして渡し、名前と連絡先を告げ、その場を後にした。

その数日後、消印が微妙にかすれていて10日か13日かがわかりにくいが、帝都高速度交通営団の渋谷駅務区から封書が届いた。

中には高橋氏の判子が押された「拾得物預り書」なる紙が1枚入っていた。

PICT4024.jpg

拾得物預り書(半)
渋谷駅 No.20
拾得日時/場所
 平成12年8月9日12°10′時A口券売機前において
現金
 金\1,000円
 内訳:千円札1枚 \1,000
物品
 種別:裸現金
 形状、模様、特徴等:千札1枚
 点数:1

上記の物件を預かりました。
 平成12年8月9日
東京都台東区東上野三丁目19番6号
帝都高速度交通営団 取扱者印(高橋)
拾得者住所、〒、氏名、電話番号

備考(記入なし)

ちょっと待て。

千円札1枚?

PICT4025.jpg


3枚渡しただろ。

パクったな、営団職員

PICT4026.jpg


ブースにいたふたりが札を1枚ずつ分けて、残りを拾得物に回したか。
あるいは拾得物を受け取った人物が2枚の千円札をポケットに入れたか。

誰が自由に分けていいと言った。
そういう社風か、キミんとこは。

この書類が届いた数日後、これまた消印がはっきりしないが、8月16日付で森田氏によって受理された「お知らせ」が、警視庁遺失物センターから届いた。

PICT4029.jpg


地鉄5314号」として受け付けられたようだ。

落とし主が見つからなかったときは平成13年(2001年)3月1日~4月30日の間に受け取りに来い、という連絡だ。
結局、取りには行かなかったので、営団にパクられるのを逃れた千円札は国庫に入ったことだろう。

拾った現金を届けるときは、できるだけ遺失物センターに近い組織に渡したほうがよさそうだ。帝都高速度交通営団の職員には勝手に山分けする奴がいたぞ。


……ちょっと片づけをしていたら昔の書類が出てきたので、もう時効だろうと思って書いてみた。

が、これだけ書いて調べたところ、刑法235条(窃盗)「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役に処する」の時効は、刑事訴訟法250条(公訴時効の期間)の二により、「長期十年以上の懲役又は禁錮にあたる罪については七年」だそうだ。

平成19年(2007年)8月9日になるそのときまで、成立しないみたい。

まあ、この件を訴えて出る気はないが、今でも調子に乗って届けられた落とし物をパクりまくってるなら、そのうち手が後ろに回るぞ、元営団職員。

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コメント

先生!
ちょうど夏休みでなく、お子様たちの目もない場合は
どうなるのでしょうか!

投稿: quark | 2005.02.26 23:49

うむ、quarkくん、いい質問じゃ。

それは昨年のいつだったか、いつもとは逆方向から自転車飛ばして帰宅したら、うっかり家の前を通り過ぎてしまったときのこと。
しまった行き過ぎた、とUターンした途端、前輪の横にキラーンと光った100円玉が目に入ったのじゃ。
夏休みでもなければお子様たちの目もない、辺境の道の上。
いつもの道をいつものように走っていては決して巡り会うこともなかったじゃろう。
ここで会ったのも何かの縁じゃ。
金は天下を回ってこそ生きるもの。
こんなところにいつまでも放置されていては、100円玉も浮かばれまい。
そう思った先生は静かに拾い上げると合掌し、財布の中の仲間たちに会わせてやったのじゃ。
翌日、彼は再び広い世界へと旅立って行ったのじゃよ。

投稿: ANCHOR | 2005.02.27 00:15

ま~何と言いますか、日本はもうダメかも知れませんね( ´ー`)フゥー...

投稿: 佐藤@スケーター | 2005.02.28 01:03

>佐藤@スケーターさん

いやあ、なんと申しますか。
当時、そのあまりにも大胆な手口に驚きました。
数千枚あるうちから2~3枚抜くような小心者じゃないですからね。3枚のうちから2枚抜いちゃうんですから。
バレないと思ったんですかなあ。

投稿: ANCHOR | 2005.02.28 01:29

えーっ!ひどいっ!!
せっかく正直に届けたのにそこから
職員が抜き取るなんてっっ(プンプン!)
長くなりますが、昔、郵便ポストに間違えて
自分のおろしたばっかの現金入り封筒と郵便物を
間違えて投函しちゃった事あるんです(大バカ者)
その時は郵便局の方が郵便物の廻るルートの方に
緊急連絡網みたいにして無事に私の現金ちゃんは
戻ってきたんです。(1日ががりで!)
なんにも書いてない、それも封もしていない封筒に
入った現金をですよ!
抜き取ろうと思えばすぐ抜き取れる状態だったにも
かかわらず!感謝感謝感謝でした。
今はそんな時代じゃないのでしょうか・・・
悲しいですよね・・・

投稿: misasu | 2005.02.28 10:31

> 静かに拾い上げると合掌し、財布の中の仲間たちに会わせてやったのじゃ。
涙。

投稿: quark | 2005.02.28 22:04

>misasuさん

>>無事に私の現金ちゃんは
>>戻ってきたんです。(1日ががりで!)

なんと美しいエピソードでしょうか。
営団職員は正座して聞くように。

>>抜き取ろうと思えばすぐ抜き取れる状態だったにも
>>かかわらず!感謝感謝感謝でした。

ポストに入っているところから抜かれていたら、あまりにもあからさまに怪しい人物が特定できるわけで(笑)。
あ、そういう意味では営団も同じなんですな……。

>>今はそんな時代じゃないのでしょうか・・・

いい人もいると信じたいですなあ。


>quarkさん

>>涙。

大変申し訳ないです。

投稿: ANCHOR | 2005.03.01 02:40

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