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2004.05.08

大泉さんのうたばん

2004年2月13日に放映された「大泉さんのミュージックステーション」に続き、TBS「うたばん」に大泉さんが登場。

さて大泉さん、これを機会にほかの歌番組からもお座敷がかかるだろうか。いい歌だ。ぜひ、かかってほしい。

と書いたが、ほんとにお座敷がかかったのは喜ばしい限りだ。

「突然ですがこの人をご存じですか? 北海道の大スター、大泉洋」のナレーションで、番組開始前の予告が流れる。機動戦士ガンダム(ファースト)の戦闘場面に用いられるBGMにのせて「やっぱりうたばん出なきゃよかったよ」「やっぱり髪のこと言われた」とボヤく大泉さん。今回は録画放送なので、かなりテンパっていた前回よりも余裕のあるトークが期待される。大泉母の「あんまりいじめられないうちに、さっさと帰っといで」という声で番宣終了。

前座を勤めさせられたのは杉田かおる。別撮りなので大泉さんとからむ場面はない。
番組後半が、大泉 洋 with STARDUST REVUEの持ち時間だ。

中居「さあそれではですね、えー、トークの本編に入る前にこちらのVTRをご覧ください、どうぞ」

ナレーション(以下N)「すべては一曲のラブソングから始まった……」
《テロップ》
すべては一曲のラブソングから始まった…

N「あるラジオ番組の企画から生まれたこの曲、『本日のスープ』。北海道限定、インディーズ発売されたシングルが、たちまち話題となり、この春、全国リリース。オリコンシングルチャート10位にランクインするなど、その勢いは、とどまることを知らない」
《テロップ》
北海道限定インディーズシングルとして発売
オリコンチャート10位ランクインの快挙!!

N「しかし、素朴な疑問。この(ブロマイド風の写真が大写し)大泉洋って一体誰なんだ?」
《テロップ》
大泉洋って一体誰なんだ?

画面右上にP in Pで映った大泉さん、自分の写真を見て早くも爆笑。四国八十八箇所巡礼でよく見せていたマルコメ風に右手人差し指で鼻の下をこすっている。あれは演技ではなく本人の癖だったのか。それとも巡礼し過ぎてこの仕草が癖になってしまったのか。

N「実はこの男、北海道では知らない人がいないほどの、とても有名なタレント」
《テロップ》
北海道で知らない人がいない程 有名タレント

札幌大通り公園での撮影風景、ラジオの収録風景(大泉「サンサンサンデー、行ってみよう!」)、「大泉洋はこれからどこへ行くのですか?」の質問に答えて「どこ行くんでしょうかねぇ?」といった映像が流れ、P in Pの大泉さんが目を丸くしながら自分の姿に見入ったり、要所要所でウケてみたりしている。

N「週9本のレギュラー番組をこなし、テレビで彼の姿を見ない日がない、と言われるほどの人気ぶりである」
《テロップ》
週9本のレギュラー番組をこなし 「テレビで彼の姿を見ない日はない」と言われる程

派手なシャツでDVDビデオカメラの宣伝を撮影している大泉さん、じゃらんのCFで「新撰組であーる! 毎月新鮮じゃらん!」と演技を見せる大泉さんの映像。

N「その活躍ぶりは多方面にわたり、ローカルCM界では、“CM王”の名を恣に」
《テロップ》
ローカルCM界では「CM王」の名を欲しいままに…

『千と千尋の神隠し』で番台蛙の声をアテる大泉さんの映像。

N「宮崎駿アニメ、『千と千尋の神隠し』では、番台蛙として声優デビュー」
番台蛙「こら、待て、おい! ……いえ、なんでもありません」
《テロップ》
「番台蛙」として声優デビュー

チームナックスの役者として舞台に立つ大泉さん。

N「映画や舞台など、役者としても活躍」
《テロップ》
映画や舞台など役者としても活躍

『水曜どうでしょう』のオープニングタイトル。

N「そんな大泉洋の人気を不動のものにしたのは、この番組。『水曜どうでしょう』」
《テロップ》
人気を不動のものにしたのはこの番組…

ナレーターの読む『水曜どうでしょう』は発音が異なる。正しく『水曜ロードショー』と同じイントネーションで「どうでしょう」を発音したいところだ。
続けてDVD「原付ベトナム縦断1800キロ」用の撮り下ろし前枠後枠映像より、カブに乗って画面右下に突っ込む“カブ”ちゃん(鈴井さん)。

N「深夜番組としては異例の、最高視聴率18.6%をマーク」
《テロップ》
深夜番組としては異例の視聴率18.6%

水無海浜温泉で、水無どころか海の一部と化して水没している露天風呂に浸かり、寄せ来る波の洗礼を受ける大泉さんの映像(「闘痔の旅」DVD第2弾に収録)。

N「この番組には、北海道の美しい景色、感動などは、一切ない」
《テロップ》
「美しい景色」「感動」など一切無い

薬師温泉の露天風呂に浸かるミスターと大泉さんの映像。続いて薬師温泉の内湯に浸かるミスターと大泉さんの映像。さらに二股ラヂウム温泉の、まだ湯が張られていない露天の湯船に座り込むミスターと大泉さんの映像。藤村D「ケツ漬けとけ!」(同じく「闘痔の旅」)

N「24時間中に、温泉で痔を治す。題して、闘痔の旅」
《テロップ》
24時間中に温泉で痔を治す「闘痔の旅」
(温泉に)ケツつけとけよ

「原付ベトナム縦断1800キロ」のオープニングで、背後の看板をミスターが叩き破ると中からカブが出てきてびっくりする大泉さんの映像。そしてベトナムを走り出すミスターと大泉さん、豪雨のなかの走行シーン、ゴール間近のミスターと大泉さんの映像が続けて流れる。(「原付ベトナム縦断1800キロ」DVD第1弾に収録)

N「原付バイクで、ベトナム1800キロ縦断など、無謀極まりないものばかり。しかしそれが、いつしか北海道で話題となり、DVDリリースとともに、全国で大ブレイク」
《テロップ》
原付ベトナム縦断1800キロ
いつしか北海道で話題となりDVDリリースとともに全国で大ブレイク

2003年12月31日のカウントダウンライブで、完全防寒姿で歌う大泉さんと、集まったファンのみなさんの映像。

N「生まれ故郷、北海道をこよなく愛す。北の大地が生んだスター、大泉洋。北海道の人たちが見守るなか、うたばんで、どんなトークを繰り広げるのだろうか」
《テロップ》
生まれ故郷の北海道をこよなく愛す
北の大地が生んだスター 大泉洋

VTR終わり。

Vの途中、映像が流れるたびに苦笑したり照れ笑いを繰り返す大泉さんに対し、左右に陣取る石橋貴明と中居正広のVを見つめる目は真剣そのもの。闘痔ネタでわずかに石橋の口もとが緩んだ程度。にこりともしないその反応を見て、大泉さんの目がちょっと泳ぐ場面もある。カウントダウンライブの様子が流れたときに映った根本要さんは、濃いオレンジ色のかわいらしいマグカップでなにやら飲んでいるマイペースぶり。なにもたまに映ってるときにわざわざ飲まなくても。

“この人が大泉洋です”というテロップとともに、大泉さん大写し。人間が大変情けない姿を見られたときに見せる苦渋の表情で、思わず下を向く大泉さん。

中居「さあ、では改めてご紹介しましょう。大泉 洋 with STARDUST REVUEのみなさんでぇーす」

紹介されても大泉さんの苦渋の表情は変わらず、下を向きっぱなし。

石橋「既になんか、悲しげな……」
中居「方(かた)ですね、も、やられちゃった顔してますね」
大泉「ウソばっかりですわあのVは」
石橋「え、なんで」
中居「どういうことですか」
大泉「いや、そんなに人気あるわけでもないんですけど」

スタレビの要さんのほうをちらりと見やって苦笑する大泉さん。要さんはギターを抱えたまま斜に構えつつ何も言わずただ笑っている。うしろに座るのは左から柿沼清史さん、寺田正美さん、林“VOH”紀勝さん。ボーさんだけが、なぜか笑っていない

中居「これ、北海道のなかでは」
大泉「あーーーーー……。ま、ぼくがああやって言ってるんでね」
「自分で言ってんのか」
大泉「ええ、ですからぁ」
中居「北海道のなかでは自分が有名だと」
大泉「まあ、でもね、ああやってよくしてもらってはいるんですけど、決してそういうなんてんでしょうね、スターとか、そういうことじゃないですね」

テロップ “皆さん よ~く見て下さいね この人ホンマおもろいで…”

大泉さんがしゃべっている途中で入ったテロップの内容は、他局のほぼ専属タレントを強く推す内容。うたばん制作者にファンでもいるのか。

中居「じゃ、な、なぁんすか」
大泉「な、なぁん、テ、テレビには、出てるんですよ」

テロップ “北海道では… 大泉洋をTVで見ない日が無いとか”

全国区ではない大泉さんをなんとか視聴者に受け入れてもらおうと、制作スタッフ必死の工作に目頭が熱くなる。

なーに言ってんだろうな、という表情の要さん。うしろに座るスタレビの3人も、どうからんでいいのかわからない様子で、ただ微笑むのみ。

大泉「テレビには出てるんですけども、で、微妙だと思うんですね、テレビに」
中居「確かにあの、全国区……の顔立ち、ではないですよね」

テロップ “全国区の顔立ちではない”

大泉「顔立ちね、顔立ちは違う、それはボクもわかっちゃいる」
中居「顔立ちは、失礼ですけども」
大泉顔立ちのことはボクだってわかってる、それはそうです、ね」
中居「天然、パーマですか?」
大泉「いやあ、よく、見抜かれたなあ」

テロップ “よく見抜かれたな~”

大泉さん、破顔一笑して答えるが、そんな破顔一笑するところなのか。

大泉「すごぉい早さで見抜かれましたねぇ」

えらいまた感心しているが、そんなに感心するところなのか。
ここまで話題に入ってこなかった石橋が、満を持してカットイン。

石橋「こういう感じの髪型を見たのは、ライオネル・リッチ以来ですよ」

テロップ “ライオネル・リッチ以来ですよ”

BGMに「Say You, Say Me」が流れる。

大泉「あはははっ。そぉんなことはないですよっ。そぉれはないよ」

否定する大泉さんの顔にライオネル・リッチの写真が重ね合わされる。似てるっちゃ似てるが、似てないっちゃ似てない。

大泉「そぉれはないない。すごく、誉められましたよメイク、あのメイクさんに」

自分の髪を触りながら誉められた誉められたと言い募る大泉さん、笑顔のスタレビのなかで、やっぱりボーさんにだけ笑顔なし

テロップ “さぁパーティーはこれからだぜ うたばんは大泉洋を歓迎します”

石橋「どこの」
柿沼「どこの!(笑)」

後列左端の柿沼さんが入ってきた。マイクに拾われる声は前列よりやや小さめ。

大泉「東京のですよ」
中居「(笑)」
大泉「どぉして? ちょっと、待って?」

出演者側から見えるモニタを鏡代わりに、自分の頭を映して髪型の確認をする大泉さん。

中居「ただ、メイクさんだって、こうして、なんかこうやってるときに、『あなた、ひどいですねぇ』って、そりゃ言わないですよ」
大泉「あっは、いや、そんなことない」

大泉さんはまだモニタから目を離さず、自分の髪型チェックに余念がない。そしてなにか結論を得たようだ。

大泉「いや、違う、いや、東京はちょっと湿気が多いですよ」

なんやその結論。不満気な顔でそっくり返る大泉さん。

石橋「(何を言い出したんだという顔で)うん」
大泉「(石橋に視線を向け)湿気があると天然パーマはこうなるんですよ」
石橋「くるくるっと」
大泉「やっぱりうたばん出なきゃよかったよ

テロップ “やっぱりうたばん出なきゃよかった”

うしろを振り返って、おそらくボーさんと目を合わしている大泉さん。さっきまで笑いのなかったボーさんも思わず笑顔で「ままままま」と大泉さんをなだめにかかる。

石橋「ええ、なーに、なーに?」
大泉「ああん……やっぱりだ。こうなるもん

テロップ “こうなるもん”

石橋「ええ、なーに、なーに? うたばん、ダメ?
大泉「うたばん、出るとだいたいいじめられるって聞いてたけど、やっぱり、やっぱり髪のこと言われた」

テロップ “やっぱり髪のこと言われた”

拗ねる大泉さん。場内は爆笑。

大泉「やっぱりだよ」
石橋「なに、じゃあ、あくまで北海道のなかでの人気者でいたいわけ。それとも全国制覇って夢はあるわけ?」

大泉さんのアップ。ちょっと口を尖らせ、頬をふくらませて、しばし無言……。

中居かわいくないよっ!

テロップ “かわいくないよ!”

大泉かわいいとかじゃないよ別にっ!

腕組みをして椅子にもたれかかり、ご機嫌斜めの中居くん。

大泉「かわいいとかじゃ」

突然激高し、大泉さんを指さして叫ぶ石橋。

石橋「○×△(聞き取れず)はどーゆーことだそれぁーっ」
大泉「いやいや違」
中居「かわいくねぇよっ」
大泉「かわいいつもりはボクはないですよ、ただボクは真剣に今考えてたわけですよ」
石橋「うん」
大泉「お、おれってどうなりたいんだろうな、って今考えたわけですよ」

しきりに頷きながら、下を向いて考えをまとめる風の大泉さん。

大泉「どうなりたいのかって言われれば、ボクはこのまんま、これぐらいの収入が続けば……」

テロップ “これぐらいの収入が続けば…”

要さん、爆笑。このくらいってどのくらいだか知らないが、妙に小市民的な物言いだ。

石橋「絶対このあと売れても東京へ住むなよ
大泉「(意表を突かれて)いや、そらぁ」
石橋「約束できるかぁ?」
中居「そうだよ、東京住むなよぉ!」

石橋の攻撃に息を合わせ、尻馬に乗る中居くん。
突然の大泉包囲網に戸惑う大泉さんは、別に住むとも住まないとも言っていないのに、住むな住むなと言われるので、むしろだんだん住みたくなってきた様子。

大泉「どぉしてぇ」
石橋「北海道にいろよ、ずっとぉ」
中居「北海道からずっと通い続けろよ」

中居くん、舌回ってない

大泉「いや、東京、なんで住んじゃいけねぇんだよ、こっちはぁ」
石橋「あぁぁぁあぁ(反論しやがったという感じ)」

住みたいわけでもないのに、ついつい反論する大泉さん。

大泉「いや、みなさんに住むところまでボクは指示される必要はないわけじゃないですか、これはいいところがあったらボクだって住みたいですよ」
石橋「ダメダメェー!」
中居「ダメー!」

都知事から全権委任を受けてでもいるかのように、ダメ出しするふたり。うれしそうな要さん。

石橋「もし! 東京に住んでるとか聞いたら、取ってもいない天丼、10個届くぞ!」

テロップ “(天丼10個の写真)届くぞ!”

柿沼「いやがらせだ!(笑)」

大泉「(なにを小学生みたいなこと言ってんだという顔で)それぐらい……それぐらいだったらいいですよぉ」
柿沼「(嬉しそうにツッコむ)いいんだ、それぐらいだったらいいんだ」

結構しゃべってんな、柿沼さん。

石橋「毎日だよ!」

テロップ “毎日だよ”

大泉「毎日だよって」

中居「じゃあ今もう北海道に住んでらっしゃるわけですね?」
大泉「ボクは北海道もなにも、実家ですボクは」
中居「実家から通ってるわけですか、さあ、そんな北海道、お母さんと電話がつながっています

テロップ “お母さんと電話がつながっています”

意外な展開に、大泉さん、大ウケ。知らされていなかったのか。

大泉「なんの意味があって、おふくろと電話をつなげてるんですか(笑)」
中居「もしもし!」
大泉母「もしもしぃ」

テロップ “電話:大泉洋の母”

中学生くらいの大泉さん(詰襟学生服姿)と母親の2ショット写真が左下に。
手を叩いて喜ぶ大泉さん。……喜んではいないかも。

中居「お母さん、聞こえますかぁ?」
大泉母「あーぃ。もしもしぃ。中居さんですか?」
中居「中居です、どうもー!」

手で膝を叩き、足を踏みならして、ただ一人ウケ続ける大泉さん。

大泉母「まぁまぁ~、中居さんってあれ? 『砂の器』のあの、ピアニストの和賀さんですか?」
大泉「砂の器、好きだったんです、うちのおふくろは。そうだよぉ、母さん! 砂の器の……」
苦笑する中居。
石橋「砂の器で、ピアニカァ吹いてた子供ですよ」
大泉母「はーい」
中居「子供じゃないよ」
大泉母「まぁーあはは」
中居「今日息子さんとね」
大泉母「はーい」
中居「お会いされて(噛んだ)、お会いさせてもらいまして」
大泉母「いやいやいやお世話になってます。でもなんかずいぶんいじめてるみたいですね」
中居「いやいや」
大泉「母さん、いじめられてるよ!」

ゴングが鳴って石橋立ち上がる。大泉さんに対して殴る蹴る。

大泉「あーがっ、あーっ、やめて! 母さん! 母さん! 暴力です!」
中居「息子さん、喜んでますぅ!」

再度ゴングが鳴り、石橋の攻撃。

大泉「母さん、母さん、輝いてます」

なに言ってんだ、大泉さん。

中居「お母さん! なんか北海道を捨てるっておっしゃってますよ?」
大泉母「ウソでしょう(笑)」
中居「東京に住みたいとおっしゃってます」
大泉母「いやいやいや、ローカルの星だっていつも言ってますよ」

テロップ “ローカルの星だっていつも言ってます”

母さんの天然トークに、場内ほがらかな笑いに包まれる。

大泉「母さん、あのー、明日朝一で帰るから
大泉母「あっそう?」
石橋「個人的なこと話し……」

と、言い終わらないうちに立ち上がってパンチ一閃。
そんなスタジオの様子がわからない大泉母、なにごともないかのように話を続ける。

大泉母「明日、何時頃?」
中居「息子さん、喜んでます」
大泉母何時頃明日帰ってくんの?」

テロップ “何時ごろ明日帰って来る?”

大泉母の天然ぶりに、さすがのボーさんもメロメロ。笑いが止まらない。

大泉「7時。飛行機7時だから昼くらい」
大泉母晩ご飯は明日、明日晩ご飯?」

テロップ “晩ご飯は?”

石橋「お母さん、公共の電波であまりですねぇ、あの」
大泉とにかくそれが気になるんですよ」

息子が家で夕飯を食べるのかどうか、それなににも増して関心事だという母。

石橋「お母さん、あの」
大泉母「はい」
石橋「すぐですねぇ、あの息子さんにギャラ振り込みますんでぇ」
大泉母「はい」
石橋「あの、口座番号教えてください」

テロップ “口座番号教えてください”

大泉母「あのね、ダメですよ、なんぼ稼いでるかどうか知らないです、うちにはね、2万円しか入れてないんですからねぇ」

テロップ “ダメですよ なんぼ稼いでるかどうか知らないですけど…”“ウチにはね 2万円しか入れてないんですよ”

要さん、顔の半分が口になる勢いで大笑い。
大泉さん、凹む

大泉「母さんもういいよ! 母さんもういいよ!」

テロップ “実家に2万円しか入れない大泉洋(31)”

またも立ち上がった石橋に手刀で突きを喰らう。
すっかり参ったという表情の大泉さん。わずかこの数分間で目の下に隈ができた。

中居「あと息子さんに今、聞きたいことはございますか?」
大泉母「いやあもう明日何時頃帰ってきて晩ご飯、食べるかどうか、聞いてください」
中居「晩ご飯? 晩ご飯?」
大泉「一番それが気になるん……」
中居「晩ご飯気になんの?」
大泉母「はぁい、食べるか食べないかによってこっち」
中居「食べるか食べないかに」
大泉「帰って仕事あるから晩ご飯いらない」
大泉母「いらないですか」
大泉「いらない、晩はいらない」
大泉母「あ、そぉ、うん」

いらないと聞き、やや残念そうな大泉母。

大泉「うん」
大泉 大泉母「また」「じゃ」

同時に発声。

大泉母「うん、気を付けて」
大泉「はい」
大泉母「あんまりいじめられないうちにさっさと帰っといで

テロップ “あんまりいじめられないうちにさっさと帰っておいで”

石橋、中居くん、手を叩いて喜ぶ。

大泉「母さんだよぉ……母さんがぁしゃべるからぁ。母さん余計なこと言うから」
石橋「さっさと帰っといで」
中居「母さんが一番味方なんだ」
大泉母「はぁい」

すっかり主役を母親に奪われたうえ、月々実家に入れる金額まで暴露された大泉さんはかなり気落ちしている。

中居「最後にお伺いします!」
大泉「もいいって」
大泉母「はい」
中居「息子さん、洋くんの」
大泉母「はい」
中居「一番、いいところは、どこですか」

大泉さんは、もうすっかりふてくされて机につっぷしてしまった。

大泉母「あー、優しくて明るいとこですねぇ」

テロップ “優しくて明るいとこですね”

明るい息子さんは、カメラに顔も向けないでふて寝してるぞ。

中居「はあん」
大泉母「はい、とってもわたしに優しい子です」
大泉どうでもいいよバカ

大泉さん、暴言。

大泉「小学生じゃないんだ」
石橋「なに、なに照れてんそこでぇ」
大泉「しょうが……」

石橋のフォローも虚しく響くくらい、大泉さんの凹みっぷりは激しい。

中居「明日帰りますんで!」
大泉母「はい!」
中居「晩ご飯いらないって!」
大泉母「よろしくお願いしまっす」
中居「どうもーっ!」
大泉母「ありがとうございました~」
中居「はーい!」
大泉母「失礼しまーす。中居さんもがんばってくださいねー」

テロップ “中居さんも頑張ってくださいね。(はぁと)”

大泉「お母さん礼儀正しい。礼儀正しいよね、母さんは」
中居「ありがとうございまーす! どうもでーす」
大泉母「はーい。ごめんくださーい」

テロップ “お母さん どうもありがとうございました”

大泉「礼儀正しい人だよ」
中居「いいお母さんだねぇ」
石橋「なぁーんであのお母さんでこの息子なの?」
大泉「ほっといてくださいよ、そんなの。あんな人じゃない、あの人はねオレにこう言ったんだ『あんたが生まれるってわかってたら生まなかった』って昔言ったんだから」

テロップ “あんたが生まれるって分かってたら生まなかった”

大泉「明らかによそ行きですよあれは」

幼少時代の大泉さんの写真に、“明らかによそ行きですよ”とフキダシ。

大泉「あんなこと言う人じゃない」

電話が切れて反論がないのをいいことに、暴言の限りを尽くす。

中居「あ、スープカレー。あ、じゃあ、こちらにあるとこに行ってみましょう」

ここで話題転換。

テロップ “突然ですが札幌みやげ登場!”

大泉「あ、スープカレーをちょっと召し上がってもらいたいな」
中居「スープカレーって知らないなあ、でも」
大泉「スープカレーご存じないですか?」
石橋「これがぁ、まだ東京にそんなに」
大泉「まだない。これねぇ、とにかくここチキンのレッグとかとにかく大きい具材がどかーんと入るのがこのスープカレーの特徴なんすよね。一瞬だからこれはカレーなの?というのがわかんない感じですけども、こらぁねぇ、なんて言うんでしょう、1回ではなかなかハマりません」

テロップ “1回ではなかなかハマりません”

中居「ハマんないのぉ?」
大泉「これマジック・スパイスっていう、あのお、札幌ではカリスマ的なお店で、ずっと行列ができてるんですけどぉ。あ、これ辛さもすごい選べまして、これ今どれくらいなんだろうなぁ」

テロップ “札幌で大ブレイク!! 「スープカレー」試食”

ちなみにこのマジック・スパイスなる店、東京の下北沢に支店が出ている。おそらくスタジオに現物を差し入れたのは支店だろう。

中居「これ、辛っいよぉ」
大泉「いや」
中居「食べてちょっと。これどんくらい?」
大泉「これ、食べれない札幌じゃなかなか行列できてて」
石橋「うまい」
大泉「おいしいですよね」
中居「辛くない?」
大泉「あ、ほらほら」

大泉さんは中居くんから皿を受け取り、ひとさじ口に運ぶ。

中居「うまい?」
大泉うわっ、辛っ

テロップ “うわっ 辛っ”

眉間に皺が寄り、険しい表情。思っていたより相当辛いらしい。

大泉「なんだよぉ、これ。辛いよぉ。これはかなり辛くしましたねマジスパ」

辛い辛いと評判の皿からスープを取って飲んでみる石橋。

石橋「いや、このくらいでしょう」
大泉「辛いのお好きなんだ」
中居「辛いですよね」
石橋「うまい……うわっ、辛っ

テロップ “うわっ 辛っ”

中居「ねぇー? こっち絶対辛いよこれ」

テロップ “今回の新曲「本日のスープ」は このカレーを題材にしたそうです”

大泉「ああああとからね、あとから。あとからあとから」
石橋「あとからくるね、これ」
大泉「あとからくる」

あとからあとからと、何回も繰り返す大泉さん。

石橋「でもうまい」
大泉「これおいしいでしょ」
石橋「うまい! これはうまいと思う」
大泉「これなんでしょ、毎日食べれるんですこのカレー、なんとなくねぇ」
石橋「でもね、大泉くんは毎日いらないけど、これは毎日大丈夫」
大泉「(ちょっと心外な表情で)いらない情報ですよ、その大泉くんは毎日いらないってのは」
中居でもね!
石橋「大泉くんは毎日見たくない。濃いから」
大泉「よくもここまでこの短時間で嫌われたもんです」
石橋「(笑)」

笑いながらスープカレーを食べ進む石橋とは対照的に、司会者の顔に戻って進行する中居くん。さっき大きな声で「でもね!」と言いかけたのがなんだったのかはついにわからずじまいだった。

中居「さあそれではですねぇ、本日のこのぉ『本日のスープ』を披露していただけるということなんですけどもその前に、ちょっとウォーミングアップ的に、なんか、アカペラでちょっとなんか歌っていただけるようなことが」
「あー。はい」

出番がやってきて、居住まいを正す要さん。横で激しく頷いている大泉さん。

石橋「STARDUST REVUEのみなさんに、ウォーミングアップで」
「いやー、すっかり食べ切っちゃいましたね、ほんとにね」
石橋「アカペラのほうを、お願いします」
「じゃ、やるよ。えー、じゃ『上を向いて歩こう』ちょっと歌ってみるか」
STARDUST REVUE「あー、はい」

後列の3人に加え、いつの間にかコーラス要員が2人加わって、スタレビ4人+応援2人でアカペラ。
所在なさげな大泉さん。ちょっと首をこくこくさせてリズムを取ってみたりする。

『上を向いて歩こう』
 作詞:永六輔/作曲:中村八大
 歌:坂本九

さすがはSTARDUST REVUE、見事に歌い切って万雷の拍手。

歌い終わえたSTARDUST REVUEのみなさんに、嵐のような拍手を贈る大泉さん。すっかりうしろを向いて、ただの客。
途端に中居、石橋の両方からどつかれる。大泉さん、びっくり。

石橋なんか歌うんじゃねぇのかよ!

テロップ “なんか歌うんじゃねぇのかよ”

中居なにやってんだよ! “上を向いて”で上向いてんなよ!

テロップ “「上を向いて」で上向いてんなよ!”

大泉おぉほっれ、オレはSTARDUST REVUEじゃないんだよぉ! 全然歌えませんよ、こんなもん

テロップ “俺はSTARDUST REVUEじゃないんだよ
全然歌えませんよ”

石橋「なに逆ギレなんだよ、毎回毎回!

大泉さん十八番の逆ギレ発動。しかし藤村D対戦時と比べればまだまだおとなしい。

大泉「しょうがないじゃない、ボクはだって、ボクもだからどうしてようとは思いましたけど」

大泉さんがもごもご言っている途中でコマーシャル。

テロップ “まだまだ続く…爆笑トーク大泉洋は不滅です”

そしてモーニング娘。やら伊藤つかさやら大沢逸美やら杉田かおるやらが出てきた別コーナーを挟んで、いよいよ歌。いやあ、歌番組のくせになかなか歌わなかったなあ。この1時間でおまけのアカペラ入れても合計4曲しか流れないわけだから、ほとんどがトークの番組だ……と思っていたら、TBSのサイトではこのうたばんは歌番組ではなく“バラエティ”に分類されていた。それなら納得。

ご一行様は歌う態勢にスタンバイしているらしく、中居くんと石橋はステージの端に立って曲目の紹介。

中居「さあ。ぼくらの目の前で歌っていただけるということで」
石橋「はい」
中居「どんな歌か想像つきませんけど、参りましょう」
石橋「はい」
中居「えー、大泉 洋 with STARDUST REVUEのみなさんで、『本日のスープ』です、どうぞ!」

■『本日のスープ
 大泉 洋 with STARDUST REVUE

テロップ “2004年カウントダウンライブ(札幌大通り公園) 収録されているコーラスは約2万人の声”

無事に終了。1番だけだったが、今日も大泉さん、無難に歌い切る。ミュージックステーション出演時より余裕があったのか、前回は黙ってうつむいていたイントロの「オー ウィヤエー」も発声していた。

中居くんと石橋が、歌い終わった一行を迎える。

石橋「ちょっと歌うまいんでびっくり」

それはきっと素直な感想だろう。さっきまでのバカトークからは想像のつかない美声だ。
石橋「なあんだよそれ、ずるいよ」
大泉「(笑)いや、ずるい……」
中居「今なんかちょっとぉ、あの、ちょっと、なんか、腹立ってる感じなんですよ」

大泉さん爆笑。中居くんのそれも、きっと素直な感想だろう。

中居「だから申し訳ないですけどもぉ、アカペラで終わりにします」
大泉「あははははっ、それはぁ! じゃ、オレは何しに来たかわからない」
中居「お母さんとのトークを」
大泉「オレは、お母さんと話しに来た変わった人じゃないですか」
石橋「あはーはーはー」
大泉を、聞かせてくださいよ」

石橋「これ……売れるね
大泉「あはは」
中居「きちゃうんじゃないすか」
石橋「きちゃうね。でも、絶対東京に出てくんなよ
大泉「……とにかく嫌いだ。大嫌いですね。ぼくが(笑)」
石橋「(笑)」

中居「東京にもまた遊びに来てくださいね。どうもありがとうございましたぁー」
大泉「ありがとうございましたー」
「ありがとうございましたー」
中居「大泉 洋 with STARDUST REVUEのみなさんでしたーっ」
石橋「こーりゃー売れるよ」
大泉「そうですか?(頭を下げる)」
石橋「うん、こーりゃー売れる」

何度も頭を下げる大泉さん。そしてコマーシャル。アルカリを超えたオキシライド乾電池。これ、使えるかな、HP200LXに。

そんなことはともかく、今回(2004年5月6日放映)のうたばんでもSTARDUST REVUEのみなさんは大人の対応で、大泉さんを立ててくれていた。大泉さんにはこの勢いで、さらに他局の番組に殴り込んでいただきたい。

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コメント

carpe diem!さんのブログのご紹介で
読ませてもらいました。
詳しいレポートありがとうございます。

スタレビ好きのわたしですが、
うたばんは大笑いして見ていました。

投稿: 未央 | 2004.05.08 15:17

こんにちは。
あまりにも詳しいレポートだったので思わずトラックバックさせていただきました。

投稿: K_S | 2004.05.08 19:50

うわー知らなかった、見逃した!!
でもANCHORさんのweblogがあってよかった!!
じっくりと読みましたよ、詳細レポート!!
大泉さんの歌唱力は石橋、中居どちらもかなわないですよねぇ。

投稿: quark | 2004.05.09 01:31

大泉君、更に歌に磨きがかかって上手くなってたねぇ。
見た目は“育ちの良い僕ちゃん”って感じになってて
笑ってしまいました。(^◇^;

投稿: エゾフクロウ | 2004.05.09 01:51

>未央さん、ようこそ、はじめまして。
スタレビのみなさん、ミュージックステーションといい、うたばんといい、すっかり大泉さんのバックバンドみたいな扱いで申し訳ない限りですが、全然気にしない様子でいつもにこにこされているのが印象的です。ほんと、いい人たちに巡り会って、いい歌を作ったものだと思います。

投稿: ANCHOR | 2004.05.09 20:38

>K_Sさん、ようこそ、はじめまして。
トラックバックしてくださりありがとうございます。K_Sさんのblog「賽は投げられたは、どうでしょう方面、お詳しいですなあ。サブタイトルにしておられる「何がおこるかわからないから旅なんだ」のフレーズを木ぎれに焼き込んだ根付けのようなもの(以前売られていました)を、わたしは旅行に出るときに背負う1dayハーフのディパックにぶら下げております。でも、気が付いたら四国に呼ばれていたなんてことはまだないので、助かっています(^^;)。

投稿: ANCHOR | 2004.05.09 20:39

>quarkさん
なんと見逃されてしまいましたか! 今すぐコクーンに「大泉洋」を登録してください!(笑) わずかでもこの記事で雰囲気を感じていただけたのなら幸いでした。なんか久しぶりに人様の役に立ったような気分です(笑)。

投稿: ANCHOR | 2004.05.09 20:40

>エゾフクロウさん
いやあ、ほんま、上手になっていましたなあ。なんだか髪の色もちょっと抜いてあって、こぎれいな衣装を着せてもらって、全体にすっきりしておられましたな、大泉さん。あれ、やっぱりスタイリストは小松さんなんですか? 小松さんは大泉さん付きのスタイリストじゃないか(笑)。

投稿: ANCHOR | 2004.05.09 20:40

はじめまして。
うたばんレポお疲れ様ですw
思い出し笑いしました。

投稿: munch | 2004.05.10 00:25

>munchさん、ようこそ、はじめまして。
トラックバックどうもありがとうございます。
「うたばん」映像を貸し出された折りには、いつでも思い出し笑いをされにお越しいただけますよう、お待ちしております(^^)。

投稿: ANCHOR | 2004.05.11 02:03

この時のうたばんでの貴さんの面白い行動には大爆笑しました。だって大泉さんに何かの格闘ゲームでもやってるみたいに殴ったり蹴ったりの連続攻撃してましたからね(笑)。
おまけにまた「砂の器」の和賀さん出て来ましたね。貴さんは彼の事を「ピアニカ吹いてた子供ですよ」と言ってましたがその言葉を聞いて僕もうっかり「へ~そうなんだ(笑)」とテレビの前で言ってしまいました。

投稿: ナルミ | 2004.08.18 20:05

>ナルミさん

石橋さんは随分大泉さんを気に入られたのか、いろいろとちょっかいを出していましたなあ。いじられ芸人の大泉さんとしては、あれだけツッコんでもらえれば本望でしょう(笑)。

>>貴さんは彼の事を「ピアニカ吹いてた子供ですよ」と言ってましたがその言葉を聞いて僕もうっかり「へ~そうなんだ(笑)」とテレビの前で言ってしまいました。

実はわたしもです(笑)。

投稿: ANCHOR | 2004.09.04 20:02

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石橋と中居のトークのイジられ様は、想像どうり面白かったな。 上手い!歌も安定良くて上手かった!大泉くん! 安心して聴けるぞ!大泉くん! 本日のスープ [続きを読む]

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