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2000.09.24

戸締まり用心火の用心

戸締まり用心火の用心とは一日一善を子供達に強要したコマーシャルの文句だが、戸締まりだけを用心すれば世の中それでよいのだろうか。時には開け放しておくという豪放さも必要なのではないか。
先日ご機嫌さんで午前様で帰宅したところ、ポケットに鍵がないことに気がついた。当家には鍵が二つあり、一つは玄関、もう一つは部屋の鍵だ。その両方がない。
ここ最近、部屋の鍵をかけずに出かける癖がついている。玄関はオートロックで閉めるのに鍵はいらない。そのため自動車で言うところの締め出しを食らうことになる。時間が早ければ上の階の人をインターホンで呼び出して開けてもらうのだが、あいにく2時半だ。いつもなら3時過ぎでも起きている人達だが、今日に限って珍しくお休みらしい。
そこで建物の右側から壁を登ってベランダに忍び込むが、きっちり鍵がかかっている。流石わたい、戸締まりに用心しているようだ。
絶対開いていないのはわかっていたが、念の為裏手の窓を試しに回ってみるが、やはり閉まっている。
しばらくは諦めて玄関にしゃがみ、帰り際に調子に乗って三つも買ってきたアイスクリームが溶けるのを恐れて二つ平らげる。
同時購入の牛乳も痛むかと思われた3時半頃、ふと気付いて建物の左側へ回り込み、階段に備えられた小窓を試してみた。
鍵がかかっていない。
これ幸いと隣の家の壁を足がかりに2メートルほど登って侵入。玄関を開けて牛乳とすっかり溶けた残りのアイスを回収し、4時過ぎに就寝した。
翌日見ると、窓の下の赤い絨毯にくっきりと泥の靴跡が、小窓から見える白壁にもナイキのレザーコルテッツのパターンが残っていた。
さて、戸締まり用心だが、この経験から得られた教訓は二つ。何もかも施錠せずにどこかを開けておけばいざというときにも安心して部屋に戻れるから、戸締まり用心を盲信するなということ。そしてこの家は素人でも簡単に忍び込めるから、戸締まり用心には十分留意せよということだ。
(もう引っ越しました)

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2000.09.05

おそれいります

おそれいります この座席は、よごれ のため使用できません
ひかり号の座席にそんなことを書かれた紙が置いてあったのを見たことはないだろうか。
わたいはある。今、まさに今それを見ているのだ。
3人がけのB席に置かれたその白い紙は、およそ15×8cmの縦長だ。1.5mm程度の黒い罫線に囲まれて、冒頭の文言が黒々とした太明朝に平体をかけて配置されている。
この席に座る権利を有する50代のサラリーマンと思しき男は動揺し、オレはどうしたらいいんだ、これはなんだ、ゲロか、誰かがオレの席にゲロを吐いたんだ、洗ったのか、どうなんだ、きれいじゃないか、湿ってるな、座れないのか、ここにオレは立ってるのか、おいキミどうなんだ、と目が泳いでいる。
その横でC席の指定券を持った部下らしき30代サラリーマンが、すみません、わたしの手配でそのようなババを掴ませまして、と謝りながらも、自分はちゃっかり席に収まって手にした缶ビールを今にも開けようかという風情だ。
出発間際、やおら登場した車掌が、あなたのために来たのです、さあ、14号車にどうぞ、お連れ様もどうぞ、ささ良い席が、と二人を連れて去って行った。
A席に座るわたいの隣はすっぽり空席になり、おそらくこの道中、誰も座りに来ることはないだろう。ゆっくりとできることこの上ない。
さて、荷物でも横に……置けないではないか。そもそも、わたいの席は「よごれのため使用でき」るのだろうか。そう思うとなんとなく辺りが酸っぱいような気がしてきた。この状況は得なのか、損なのか。おいキミどうなんだ

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