« 1999年2月 | トップページ | 1999年5月 »

1999.04.28

社員食堂のチーフ

社員食堂には料理の責任者がいる。「美味しんぼ」の東西新聞にでもいるのだから、弊社にもいるのだ。
彼は厨房のおばちゃんたちからチーフと呼ばれている。チーフの名にふさわしく、頑固一徹叩き上げの風貌を持つ人物だ。噂では、現職に就いて3年ほどという。どこからか赴任してきたそうだ。
どの艦から来たのか知らないが、勤務3年で職場をドミニオンに明け渡す最後のチーフになってしまったとは不憫だ。しかも再奪取して舞い戻る可能性は皆無なあたり、真実は甘っちょろいSFドラマよりも厳しく辛いことを思い出させてくれる。(この数ヵ月後、社屋ビル建て替えのため社員食堂も閉鎖された)
実際この社員食堂は厳しく辛い。
辛いのではない。辛いのだ。塩辛いのである。どれもこれもそうだ。
辛くてなんぼのカレーも辛さの質が違う。もちろんうどんの汁の味付けも、醤油というよりも塩である。
これは辛い。
ここの辛いは辛いと読まず辛いと読んで欲しい。
塩の過剰供給は現チーフの赴任から始まったと、辛さに顔を歪めながら先達が証言している。
もっと肉体労働しろというチーフからの御達しなのか。毎日机に向かってばかりいる仕事っぷりの連中に、おそらく1日働いても汗一滴たらすことのないであろう種類の業務形態の我々に、勤労の汗の尊さを教えようという親心なのか。実にありがたい。皆、感謝のあまり、ひーひー言いながら額に汗して定食を平らげるのだ。その汗はねっとりとして冷んやりとした爽やかさに欠ける汗であるが、汗は汗だ
もう一つたまにチーフが見せる気配りは、だ。特にあさりの水煮を使った深川風丼に注目したい。食感がざらざらしているのだ。がりがりしているとも言える。がつっ、と歯に当たることも珍しくない。
もうおわかりだろう。消化されにくい貝類、まして丼で供された小さなあさりは丸呑みしがち。少しでも胃の消化活動の助けになればと、敢えてチーフが秘密の隠し味を混入させてくれているのだ。我々はまた涙を流して感謝しながら、ニワトリに思いを馳せるのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

1999.04.23

社員食堂

仕事場に社員食堂がある。社員食堂とは福利厚生の一環として設けられた施設の一種で、給与明細と一緒に配布される食券で様々な定食類をいただくことができるありがたい場所だ。
利用できる食券にはランクが2段階あり、弊社社員がもらっているのは緑色のAランク券だ。近隣の契約企業の中には灰色のBランク券を持つ者がいる。どう違うかといえば、同じ定食でも値段が違うのである。食券を持たない一般市民でも利用は可能だが、さらに値段は100円増しだ。つまりA券の客が250円で食べられる定食をB券の客は350円一般客は450円支払って食べることになる。
では元々450円で売るようにできている定食だと考えるのが当然だが、わたしの見る限り450円では人々が納得しないだろうと思われる内容だ。実は250円で元を取れるように作ってあるのだろう。その代わりかどうか知らないが、ご飯はお替わり自由だ。
定食は3種類で、一つだけ100円高い特別な定食がある。グルメ志向の社員に向けたワンランク上の定食だ。ワンランク上には見えないが、見た目で判断してはいけない。だが、わたしは注文したことがないので、見た目で判断するしかないのだ。すまんA定食、見た目だけで言うが、あなたは貧相だ。
さて、これらはどのような基準で提供数が決められているのか謎である。というのも、13時近くに行くと売り切れていることがしばしばだからだ。
考えて見れば、売り切れるほど売れている、という事実に驚かされる。だって貧相なんだもん。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 1999年2月 | トップページ | 1999年5月 »